カーティス・フラー Vol.3
この作品、モノの本によると57年録音・61年?発売だそうで。
数年間眠っていた作品って事ですかね。
ただ、アルバムの構成ではなくて、楽曲の構成がちょっと変わっているというか、
斬新な印象を受けます。
と言っても、聴き辛さとは全く無縁ですが。
発売は、JAZZTETの隆盛に合わせて(無論、吹き込み時はそんな意図は無かったでしょうが)
と言ったところなんでしょうかね。
でも、ビバップの香りは無し、ハードバップが熟成した頃で無いと、
ちょっと新鮮過ぎる作品だったのかもしれないですね。
それ位、今聞いても、他のBN1500番台の作品とは趣を異にしている。
楽曲は、どれも秀逸です。
楽曲の充実度合いと、後は、これ以上無いってくらいメンバーが良いですね。
ソニー・クラーク/ジョージ・タッカー/ルイス・ヘイズ のリズム隊がもう最高です。
チェンバースのアルコと違って(ファンの方、すみません・・・)、タッカーのは
中々では無いでしょうか。
ソニーのピアノも溌剌・活き活き・流麗。言う事無しです。
ファーマーのtpがフラーのtbと相性が良いのは今更言う迄も無し。
曲の良さ、メンバー同士の相性の良さで、私の中では
この辺りのメンツのサウンドではBESTの位置付けです。
興味をお持ちの方、多分ソンにはならないと思うので、是非聴いてみてください!
サウス・アメリカン・クッキン
最初に聴いて以来愛聴盤となった本作、以来フラー作品中最も好きな作品。まず曲がよく選曲も曲順も気が利いている。何より吹っ切れた明るさがあっていい。彼は玄人向けのコアな作風よりこういったポップさがより似合うと思うのだが。ブルースエットもまた一種ポップかつ完成度の点で代表作かもしれないが。また本作の面子のなかでもズートはいつも最高だがここでもかなり良く、しっくりまとまったバンドサウンドとカッコいいバスドラムのパターンに乗って演奏も終始弾んでいる。それに増して本作の持つフィーリングが最高だ。タイトルそのものを連想する少々荒涼感の漂ったクールなサウンド。録音も見事だがこのフィーリングこそミュージシャンが求めてやまない魔法だろう。渋い作品だがなかなか繰り返し聴くに値する好盤だ。