ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?
役所といえば、公僕として、決まりきった手順で、決して枠をはみ出さず、許可された稟議書類に基づいて、黙々と正確に履行するという、とてつもなく平凡であり続けることを良しとしています。
この高野誠鮮氏は、そういった公務員の常を型破りし、破天荒な試みをなし続けてきた方です。
そこには、”村民のしあわせ”というビジョン、”過疎化対策”というミッションに基づき、村のウリとするところを見つけ出し、また、村おこしとなるコミュニティの活性化をアグレッシブに進めていった数々の成果が見受けられます。
UFOの町たる宇宙人のごとく、奇天烈ですが、思い付きだけではなく、入念なリサーチと、目的を達成すべく、しっかりとした仕掛けでもって成功させています。
チャレンジ精神と、革新的なアイデアマンというキャラクターだけではなく、その目的達成には地道な努力と、マスメディアといった情報を駆使した知的戦略、力強いリーダーシップにより牽引していく屈強さがあります。
既成概念を捨て、構造を変える、仕組みを変えることは、リスクを伴うこともあり、民間企業であっても、その壁をぶち破るには大きなパワーを必要とします。
本書は、たった数パーセントしか可能性がないものでも、「できる」ものであれば、それを本気で信じて、目的を達成するために果敢に挑戦していくことが成果に結びつくという実例を示したものです。
フランクに、滑稽に、そしてネアカに書かれており、たいへん読みやすく仕上がっています。