スタンリー・キューブリック リミテッド・エディション・コレクション(初回限定生産) [Blu-ray]
キューブリック作品のオリジナルは、ほとんど4:3のスタンダードサイズで撮影されています。
そのままのサイズで上映されたり、上下のカットして上映されたりしていますが、メディア化されるとほとんどワイド版(上下カット版)になります。
限定版コレクション!ならば、バラバラのソフトをまとめただけの商品ではなく、オリジナルサイズでのソフト化にして欲しいものです。
特に「フルメタルジャケット」と「アイズワイドシャット」は是非、4:3オリジナルサイズの美しい画面で観てみたいです。
劇場でリバイバル公開などがなくなった今日ではオリジナル版を観るには、ソフト化されるしかありません。
単体商品の詰め合わせセットには魅力を感じません。
バリー・リンドン [DVD]
キューブリックファンで未見の人は鑑賞していただくことをお勧めいたします。長尺だしなじみないコスチューム・プレイだし、と二の足を踏まれ敬遠されてたら傑作を見逃すことになるよう思います。遺作の「アイズ・ワイド・シャット」なんかより全然よい。以前にも「スパルタクス」という作品を作っておりこれも傑作でしたが、もっとこうした古典時代劇を作って欲しかったよう思われます。
頭がいい人、悪い人の話し方 (PHP新書)
こういう話し方、態度の人はこっけいだよ、という事例を集めている。体系的な整理ができているわけではなく、思いつくまま並べたように思える。事例の中に「根拠を言わずに決めつける」「ケチばかりつける」「少ない情報で決めつける」というのがあるが、この本の内容自身があてはまるのでは?と思ったりもした。
ただ、ナンシー関さんのようなひねりがあれば、一つのぼやき芸、おちょくり芸として成立するのかもしれない。
バリーリンドン [DVD]
ディケンズと並び称される、ヴィクトリア朝時代の作家ウィリアム・メークピース・
サッカレイの『バリー・リンドン』を、キューブリックが美しい「動く」絵画のように
仕上げた作品。
とにかく1カット、1カットが息を呑むほど美しい。「伝説の」ロウソク撮影だけでなく、
緑豊かな田園風景、抜けるような青い空、流れ行く暗雲、枯れ葉舞う森、赤い制服の
イギリス兵の隊列…等、1カットごとの構図、色彩の凝りようが尋常でない。キューブ
リックは、18世紀の絵画を参考にし、当時の風物をそのまま再現しようとしたという
が、その目論みは見事に結実したといえるだろう。
その映像至上主義に比べると、ドラマそのものが素っ気無いのが、いかにも天邪鬼
キューブリックと言ったところ。彼は一貫して、ドラマチックなピカレスク・ロマンに仕
上げることをせず、バリーという野心家の栄枯盛衰を傍観者の目で冷然と眺める。
キャメラは常に対象物から離れ、ロングで捉えることからもそれはわかる。静かで、
ストイックなスタイルだ。対して、2度あるラブシーンはストイックながら(いや、スト
イックだからというべきか)、美しく官能的だ。キューブリックのフィルモ・グラ
フィーの中でのラブ・シーンのベストではないだろうか。
DVDの画質は、本編の長尺もあって、若干デジタル圧縮の弊害もあるが、総じて、
デジタル・リマスターされた画質は良好。ただ、そろそろBlu-rayのHD画質で、この
極上の映像絵巻を楽しみたいというのが正直なところだ。