アニメを見た事がない人にもおすすめできます。おすすめ度
★★★★☆
『千年女優』や『東京ゴットファーザーズ』などが有名なアニメ映画の監督、今敏の初のＴＶシリーズ『妄想代理人』を原作に梅津祐一が書いた本作は、アニメと同等のレベルで楽しめる一冊だ。アニメ『妄想代理人』を見た事が無い人でも是非読んで欲しい。
アニメ『妄想代理人』はＷＯＷＯＷで全話見たのだが、全体的に見ると、今敏が鷺月子とマロミの過去や馬庭のキャラクターを巧くまとめきれなくてラストがやや無理矢理すぎるような感があったので、「ストーリー性は高いのに勿体ない！」という感想になってしまい、残念に感じた。しかし私のそんな思いを梅津祐一はぶっ飛ばしてくれた。
梅津祐一はアニメ『妄想代理人』の高いストーリー性を大変巧く利用し、独自の『妄想代理人』を作り上げてくれた。アニメの少年バットは「悩み苦しむ人間を無闇に襲う怪物」というイメージしかなかったのだが、本作に出てくる少年バットは非常にミステリアスな存在で、私はアニメの少年バットよりも梅津裕一の少年バットの方を魅力的に感じてしまった。
アニメの少年バットに迫力が感じられなかった人は是非本作を読んで下さい。梅津裕一の少年バットはかなり怖いですよ。
二度言いますが、アニメを見た事のない人にも十分おすすめできます。出来れば本作を読んでみてからアニメを見てみてください。本作とアニメの魅力をＷで、更に楽しめると思います！
妄想や噂が現実化する時……。おすすめ度
★★★☆☆
幼児期のトラウマから起こる殺人願望を必死に抑える大学生の兄、普通であることを嫌い麻薬に逃避する中学生の妹、刑事として忙しい毎日を送る父親、そして不在の母親と、それぞれ問題を抱えつつも表面的には何も起こらなかった家族に、『少年バット』と称される連続通り魔事件がもたらしたものは……。本書で一番印象を受けたのは、心身ともに麻薬に蝕まれてゆく妹の描写がリアルで、薬の影響からくる妄想が、次第にオカルトめいていくあたりは、兄の殺人衝動よりも恐く感じました。意外と思わせた終盤も、予想できた結末に落ち着いてしまったのがやや残念でしたが、アニメ版のノベライズに触発され、あくまで『少年バット』を狂言回しに徹した分、少女の心理にスポットがあてられている点が良かったと思います。ホラーというより、サイコ・ファンタジー？といった感じです。
精神的な怖さ・・・おすすめ度
★★★★☆
無差別犯罪、模倣犯、中学生による覚醒剤使用など現代の社会問題を盛り込んだホラー。精神的な恐怖を感じるしくみ。ただあまりにもいろいろ盛り込みすぎて「んなあほな・・・」な部分もあり。しかし隣人が犯罪者かも、という現代においてあり得るかもしれない設定だけに面白みはありました。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。非常に洗練された魅力的なものになっていると思います。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。
