鈴狐騒動変化城 (福音館創作童話シリーズ)
鈴ちゃんの婚礼はもうすぐ。若い衆あこがれの小町ですから、幸せになって欲しい。ところが彼女の評判を聞いたアホ若殿様、鈴ちゃんをご所望。断れば婚約者を殺すと脅します。鈴ちゃんを救え! 若い衆たちは、助けた狐に鈴ちゃんに化けてもらい大作戦を開始。
上方落語風、痛快時代劇です。
セリフ、間合い、展開、なんかもう、おもろくて、おもろくて。
上方落語風、痛快時代劇です。
セリフ、間合い、展開、なんかもう、おもろくて、おもろくて。
大久保町の決闘―COLLECTOR’S EDITION (ハヤカワ文庫JA)
高校3年の夏休み、祖母の住む大久保町へ受験勉強の為にやって来た主人公。しかし、そこはガンマン達が跋扈する西部の町だった……
なぜ大久保町がガンマンの町なのかについての説明は一切なく、そんな異世界に紛れ込んでしまった普通の高校生が、あれよあれよという内に凄腕のガンマンだと勘違いされてしまう。そして遂には、町のならず者である村安一家と対決するはめになるのだが…、というストーリー。
いやー、面白かった。こういう笑える小説は久しぶりに読んだ。今から14年前の作品らしいが、全く気にならず一気に読めた。馬鹿馬鹿しいお笑い小説なので、人を選ぶかもしれないが、好きな人には堪らない作品だと思う。横田順弥のお笑い要素の強い短編とかが好きだったから、個人的にはど真ん中の作品だった。
なぜ大久保町がガンマンの町なのかについての説明は一切なく、そんな異世界に紛れ込んでしまった普通の高校生が、あれよあれよという内に凄腕のガンマンだと勘違いされてしまう。そして遂には、町のならず者である村安一家と対決するはめになるのだが…、というストーリー。
いやー、面白かった。こういう笑える小説は久しぶりに読んだ。今から14年前の作品らしいが、全く気にならず一気に読めた。馬鹿馬鹿しいお笑い小説なので、人を選ぶかもしれないが、好きな人には堪らない作品だと思う。横田順弥のお笑い要素の強い短編とかが好きだったから、個人的にはど真ん中の作品だった。
ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)
「大久保町シリーズ」「やみなべの陰謀」を発表し、特異な文体とギャグセンスで一部に熱狂的なファンを獲得しながらも長く作家としては仮死状態にあった田中哲弥。その田中哲弥の新作がついについに発売されました。
本作「ミッションスクール」は学園を舞台に、スパイ小説・ホラー・ファンタジー・アメコミ・純愛ロマンという5つのジャンルの定型をもちいて書かれた作品集です。そう聞くとバラエティ豊かな作品群を想像するのですが、実はどの話も「よーこんなくだらないアイデアで小説書くよなー」といった種類の発想をもとに、説明するのも馬鹿馬鹿しいストーリーが展開するという点では同じです。
あえてジャンル分けするなら奇想というか不条理というか、とにかくまともな意味でのストーリーは存在しません。それではわけがわからなくて読むのが苦痛かというとそんな心配はありません。むしろわけがわからないのにぐいぐい読めてしまう点に田中哲弥の天才はあるわけで。
とにかく文体がすばらしい。軽くてコミカルであると同時に強烈な中毒性のある文章はまさしく天才のなせる業。そして書き下ろし最終話「スクーリング・インフェルノ」が示すように、お笑いの裏側に潜む不気味さもたまりません。「笑いと恐怖は紙一重」とはよく言われますが、田中哲弥はその言葉を体現する作家で、実際ホラー短編の分野でも独特の味わいで存在感を示しています。
まさか読めるとは思っていなかった天才の新作に驚喜しつつ、過去の作品の復刊および次回作への期待も高まります。お願いだから小説書いてくれ田中哲弥。
本作「ミッションスクール」は学園を舞台に、スパイ小説・ホラー・ファンタジー・アメコミ・純愛ロマンという5つのジャンルの定型をもちいて書かれた作品集です。そう聞くとバラエティ豊かな作品群を想像するのですが、実はどの話も「よーこんなくだらないアイデアで小説書くよなー」といった種類の発想をもとに、説明するのも馬鹿馬鹿しいストーリーが展開するという点では同じです。
あえてジャンル分けするなら奇想というか不条理というか、とにかくまともな意味でのストーリーは存在しません。それではわけがわからなくて読むのが苦痛かというとそんな心配はありません。むしろわけがわからないのにぐいぐい読めてしまう点に田中哲弥の天才はあるわけで。
とにかく文体がすばらしい。軽くてコミカルであると同時に強烈な中毒性のある文章はまさしく天才のなせる業。そして書き下ろし最終話「スクーリング・インフェルノ」が示すように、お笑いの裏側に潜む不気味さもたまりません。「笑いと恐怖は紙一重」とはよく言われますが、田中哲弥はその言葉を体現する作家で、実際ホラー短編の分野でも独特の味わいで存在感を示しています。
まさか読めるとは思っていなかった天才の新作に驚喜しつつ、過去の作品の復刊および次回作への期待も高まります。お願いだから小説書いてくれ田中哲弥。