レイジング・ブル アルティメット・エディション [DVD]
数々のキャラクターを演じてきたロバート・デ・ニーロですが、その中でもこのキャラクターは一番カッコいい!妻や恋人に対して束縛が厳しく人間の好き嫌いが激しい我が儘男だが、すべて力ずくで奪い、黙らす徹底した自己肯定型不良ボクサー、ジェイク・ラモッタは男の中の男である。しかし後半のデ・ニーロの激しい体重増減の演技は常軌を逸した凄まじいものがある。スコセッシファン、デ・ニーロファン必見である。
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これこそ本物の映画、演技でしょう。ジェイク・ラモッタを増量と減量を繰り返して熱演したデニーロも見事ですが、主人公の罪と罰的な物語を容赦なく描いたスコセッシの演出がいちばん素晴らしい
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1940-50年代に活躍した実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタのボクサー時代から引退後の生活をラモッタの自伝を下に映画化したもの。ラモッタは1921年生まれで現在も存命で、ボクサー時代の映像はいくつか白黒で残っている。この映画は白黒で撮影されたが、当時の雰囲気を出すのには成功している。ラモッタを演じたデ・ニーロの体重の増減は有名だが、実在のラモッタのボクサー時代の体型と比べても遜色がないことがわかる。絶賛されている映画ではあるが以下のように多少の問題もあり、鑑賞は中学生以上からということになる。まず、映画の冒頭で妻帯者のラモッタは、15歳の少女(将来の妻)と関係を持つようになるが、これは現在のアメリカの法律では犯罪となる。また、会話は終始、汚い英語が話されている。リアルなボクシングシーンとして喧伝されているが、アップとスローモーションと血糊を必要以上に使って、実際のボクシングの試合より、より凄惨なイメージにしている。この映画にあるような顔のアップや超スローモーションはスポーツ中継ではない。映画に描かれている伝説のチャンピョンのシュガー・レイ・ロビンソンとの最後の対戦は全試合経過の映像が残っているが、実際の試合は、“セントバレンタインデーの虐殺“と名前がついているものの、この映画に描かれているほど凄惨な試合ではない。試合は、前半はロビンソンの、中盤はラモッタの反撃が見られ、攻守の入れ替わる好試合で、名ボクサーのロビンソンと互角の勝負をしたラモッタには、自ずとボクサーとしての尊敬が生まれる内容。これに比較し、映画では、(実際は、スマートで華麗なファイトの)ロビンソンは悪魔のような形相で、ロレッタのファイトも陰惨な暴力にしか見えない。映画にでてくるラモッタの八百長は事実であるが、ロビンソンはマフィアとの関係を断っていた名チャンピョン。ボクシングのイメージということでは、マイナスとなる映画。