働くということ -実社会との出会い- (講談社現代新書)
良い本です。なので、敢えて冷めた感想を記載します。
ソルジェニーツィンの小説の例で、強制収容所の無償の労働のエピソードは、確かに面白い着眼ではあるが、この例と、毎日、何十年も同じような仕事を繰り返すにも関わらず、飽きずに、より良い仕事をしたくなるという私たちの何気ない所作を同根として、「自己実現」というのは、少し違和感を感じないでもない。
むしろ、配偶者や子供にすら自分の仕事を誇らしく語れない私たちの日常の仕事の中ですら、なぜか頑張れる労働の源泉は何かというレベルで働くことの意味を解明していただいた方が実感が伴うのではないかと思うが。
ソルジェニーツィンの小説の例で、強制収容所の無償の労働のエピソードは、確かに面白い着眼ではあるが、この例と、毎日、何十年も同じような仕事を繰り返すにも関わらず、飽きずに、より良い仕事をしたくなるという私たちの何気ない所作を同根として、「自己実現」というのは、少し違和感を感じないでもない。
むしろ、配偶者や子供にすら自分の仕事を誇らしく語れない私たちの日常の仕事の中ですら、なぜか頑張れる労働の源泉は何かというレベルで働くことの意味を解明していただいた方が実感が伴うのではないかと思うが。
老いのかたち (中公新書)
先ず、50歳以下の所謂若い人たちに薦める本とは思わない。還暦間際の私には、成程と思う事、老いるとは滑稽であったり、心理的に肉体的にこれからこの種の経験をするのだと、事前に聞く意味があった。
全体に、軽いタッチの本で、深刻な内容ではない。人生論などとは程遠いものである。あとがきにあるように、この著書は、読売新聞夕刊に月一回寄稿された随想の56回分をまとめたものである。個々の随想が独立しており、それぞれに完結している。愉快に読むのだが、後に残るものが少ないようにも思う。
試しに、随想のいくつかのタイトルを掲げるが、それを見るだけで或る程度、内容が推測できる。「廃車宣告された気分」、「崩れゆく老いの形」、「初々しい初老男性の時代」、「友を送る−これも同窓会」、「扉にぶつかり、窘められて」、「衰えを受け入れる気品」、「歳を取れなくなった時代」、「一つ拾い、一つこぼす」、「よろめきと戯れる」、「時の過ち、場所の間違い」、「老いを受け入れる気力」、「ヒガミとアキラメ」、「年寄りゆえの忙しさ」。
全体に、軽いタッチの本で、深刻な内容ではない。人生論などとは程遠いものである。あとがきにあるように、この著書は、読売新聞夕刊に月一回寄稿された随想の56回分をまとめたものである。個々の随想が独立しており、それぞれに完結している。愉快に読むのだが、後に残るものが少ないようにも思う。
試しに、随想のいくつかのタイトルを掲げるが、それを見るだけで或る程度、内容が推測できる。「廃車宣告された気分」、「崩れゆく老いの形」、「初々しい初老男性の時代」、「友を送る−これも同窓会」、「扉にぶつかり、窘められて」、「衰えを受け入れる気品」、「歳を取れなくなった時代」、「一つ拾い、一つこぼす」、「よろめきと戯れる」、「時の過ち、場所の間違い」、「老いを受け入れる気力」、「ヒガミとアキラメ」、「年寄りゆえの忙しさ」。
老いの味わい (中公新書)
本書は、黒井千治さんが、読売新聞夕刊に「時のかくれん坊」というタイトルで、月1回連載されている随想56回分をまとめたもので、
前著「老いのかたち」の続編となります。
内容は、日々の暮らしの中で感じたこと、気が付いたこと、考えたこと、などを綴った随想集、エッセイ集 といった趣のものです。
本書は、私がもう10年若かったら、多分4、5ページ読んだところで投げ出すか、まあ、それ以前に絶対購入しないだろうと思います。
しかし、私もとうに還暦を過ぎましたから、本書を読んでいると、確かにとうなずける点が多数出てくるのが、嬉しいのか悲しいのか・・・・。
確かに、50歳ぐらいまでの挨拶は「お忙しいですか」が多かったですが、最近は「元気か」にかわってきています。
また、最近は、確かに男のお年寄りの単独行が目立つようにも感じます。それに少し前までは、結婚しましたの案内状が多かったですが、
最近は、喪中のお知らせがやたら遠い!(中には同級生のものもあります)。
それにめっきり体力が落ち・・・目は言わずもがな・・、それに就寝中、こむら返りが起こるようになりました。
それも、こむらではなく、太ももにまで起こります。ちなみに私より年上の人に聞くと、やはりよく起こるとのことです。
優先席に座っても違和感はなくなりました。
黒井さんほどではありませんが・・失礼!・・・、やはり物忘れがひどくなり、億劫になり、饒舌になり・・・・・
年齢はいつも初体験、これはどんな年齢の人にも言えることですが、その実感は、年が増えるほど強くなるようです。
前著「老いのかたち」の続編となります。
内容は、日々の暮らしの中で感じたこと、気が付いたこと、考えたこと、などを綴った随想集、エッセイ集 といった趣のものです。
本書は、私がもう10年若かったら、多分4、5ページ読んだところで投げ出すか、まあ、それ以前に絶対購入しないだろうと思います。
しかし、私もとうに還暦を過ぎましたから、本書を読んでいると、確かにとうなずける点が多数出てくるのが、嬉しいのか悲しいのか・・・・。
確かに、50歳ぐらいまでの挨拶は「お忙しいですか」が多かったですが、最近は「元気か」にかわってきています。
また、最近は、確かに男のお年寄りの単独行が目立つようにも感じます。それに少し前までは、結婚しましたの案内状が多かったですが、
最近は、喪中のお知らせがやたら遠い!(中には同級生のものもあります)。
それにめっきり体力が落ち・・・目は言わずもがな・・、それに就寝中、こむら返りが起こるようになりました。
それも、こむらではなく、太ももにまで起こります。ちなみに私より年上の人に聞くと、やはりよく起こるとのことです。
優先席に座っても違和感はなくなりました。
黒井さんほどではありませんが・・失礼!・・・、やはり物忘れがひどくなり、億劫になり、饒舌になり・・・・・
年齢はいつも初体験、これはどんな年齢の人にも言えることですが、その実感は、年が増えるほど強くなるようです。