大川周明 大川塾塾生の足跡 加藤健四郎さんインタビュー [DVD]
大川塾はスパイ養成学校だったと田中隆吉が東京裁判で証言したという。そのため外地にいた塾生たちは武装解除後に連合軍からきびしい尋問を受けたと。しかしこれを見る限り大川塾が謀略の学校であったとは思われない。ご本人もそう証言されているし、もしそうであればそもそも日仏の「協力」下にあった印南に派遣され、政府を転覆させるような地下活動をするわけがない。明号作戦以前はそれは軍の方針と相反するからだ。いや明号作戦ですらクオンデ候をかつぐわけだから、転覆されては困る。
また、外地で招集され初年兵教育を受けたということからしても、大川塾が特に軍部と特別な関係にあったとも言えないと思う。最初から軍の裏工作部隊であったとしたら、わざわざ徴兵して一兵卒に格下げしてしまうことはないからだ。もちろん外国語ができるということで重用され、現場指揮官の判断で一般の兵とはちがった任務につくということはあっただろうが。ということで長年の疑問が氷解した。
また、外地で招集され初年兵教育を受けたということからしても、大川塾が特に軍部と特別な関係にあったとも言えないと思う。最初から軍の裏工作部隊であったとしたら、わざわざ徴兵して一兵卒に格下げしてしまうことはないからだ。もちろん外国語ができるということで重用され、現場指揮官の判断で一般の兵とはちがった任務につくということはあっただろうが。ということで長年の疑問が氷解した。
日本の植民地支配―肯定・賛美論を検証する (岩波ブックレット)
「新しい歴史教科書」が話題になった。採用するところが少なかったためか、このことはすでに解決済みのように思われている感がある。しかし、これから毎年話題になり、年を追うごとに、採用する自治体・学校が増えてゆくのではないか。
この「歴史」についての議論の過程を見ていていつも思うのは、まず、事実認識のズレである。あることが「あった」のか「なかった」のか。また、「あった」としても、「本当の意味は」という弁護が伴うのが一般だ。
まだ終わっていない、いや、これから真の議論を始めるために、本書は格好の1冊だろう。「あった」ことをあったとして、「弁護」は弁護として、恥じることなく歴史を議論するきっかけになることを望みます。
この「歴史」についての議論の過程を見ていていつも思うのは、まず、事実認識のズレである。あることが「あった」のか「なかった」のか。また、「あった」としても、「本当の意味は」という弁護が伴うのが一般だ。
まだ終わっていない、いや、これから真の議論を始めるために、本書は格好の1冊だろう。「あった」ことをあったとして、「弁護」は弁護として、恥じることなく歴史を議論するきっかけになることを望みます。