アレルヤ (双葉文庫)
桜井鈴茂の「アレルヤ」を読了。珍しく、曽我部恵一の帯が目に付いた、帯買いでした。個人的には現代の寓話、若者の理想が見て取れるファンタジー小説でした。でも作者は私と同年代。都市に生きる浮遊感というか、現実感の喪失、正に「ヘリ」に立ち尽くした感覚が全編を覆っています。
サラリーマンにとっては、青春の理想像のような物語。収録作の「おれのユッキー」にしても同じ感覚で書かれている。両作とも女の子への思いで、物語が終わる。男の物語なんて所詮こんなところなのかも知れない。
文体のリズム感が素晴らしく、読み進めていくことや、物語の世界に入っていくことは簡単であるが、その世界観に共感できるかどうかは読み手の感覚に任せられている。作者は自由だ。読み手はその世界観を受け入れることが出来るかどいうかで、本作の評価は変わります。年齢や世代ではない「感覚」の壁が本作にはあります。
サラリーマンにとっては、青春の理想像のような物語。収録作の「おれのユッキー」にしても同じ感覚で書かれている。両作とも女の子への思いで、物語が終わる。男の物語なんて所詮こんなところなのかも知れない。
文体のリズム感が素晴らしく、読み進めていくことや、物語の世界に入っていくことは簡単であるが、その世界観に共感できるかどうかは読み手の感覚に任せられている。作者は自由だ。読み手はその世界観を受け入れることが出来るかどいうかで、本作の評価は変わります。年齢や世代ではない「感覚」の壁が本作にはあります。
どうしてこんなところに
この作者の作品はこれが初めてでしたが、新聞の書評に惹かれて購入しました。
何の気なしに読み始めたら、最後まで一気に読んでしまいました。
つまりかなり面白い小説です。
主人公が妻を殺してしまい、全国を逃げ回る中でのいろいろな人たちと交流するプロセスを複数の視点から描くというシンプルな構造なのですが、文章も読み易く、視点や人物描写も通りいっぺんでなくユニークなので、ストーリーにぐいぐい引き込まれていきます。
暴力的なシーンもあるのですが、近頃の小説にありがちな安易に過剰な表現でないところも交換が持てます。
ただひとつだけ気になったのが、前半と後半で文体というか文章のトーン、温度のようなものがちょっと違うような印象はありました。すごくざっくり言うと、「前半はハードボイルド、後半は村上春樹を思わせるトーン」なのです…。
でも、疾走感があって、最初に書いたようにとても面白い小説ですので、個人的にはお薦めです。
何の気なしに読み始めたら、最後まで一気に読んでしまいました。
つまりかなり面白い小説です。
主人公が妻を殺してしまい、全国を逃げ回る中でのいろいろな人たちと交流するプロセスを複数の視点から描くというシンプルな構造なのですが、文章も読み易く、視点や人物描写も通りいっぺんでなくユニークなので、ストーリーにぐいぐい引き込まれていきます。
暴力的なシーンもあるのですが、近頃の小説にありがちな安易に過剰な表現でないところも交換が持てます。
ただひとつだけ気になったのが、前半と後半で文体というか文章のトーン、温度のようなものがちょっと違うような印象はありました。すごくざっくり言うと、「前半はハードボイルド、後半は村上春樹を思わせるトーン」なのです…。
でも、疾走感があって、最初に書いたようにとても面白い小説ですので、個人的にはお薦めです。