ザ・ラスト・ワルツ―「姫」という酒場 (文春文庫)
作詞家でもありクラブ・オーナーでもあった著者が自らの経営していた銀座「姫」について、またその酒場に集った男達、女達について語った作品。一般の人々とはあまり縁のない銀座の夜の生態を垣間見ることができます。ホステスの壮絶な人生や客の男たちの盛衰など、全編に強く漂うのは艶やかさの部分ではなく、むしろ人の業を感じる濡れた闇の部分。実際に現場にいたもののみが語れる文学といっていいと思います。
<あの頃映画> 醜聞(スキャンダル) [DVD]
「醜聞(スキャンダル)」は黒澤明が「黒澤明」になる以前のウェルメードな小品とされているが、技術的な冴えにしろ、テーマの生真面目さ、生硬さにしろ、いかにも黒澤明らしい作品だとも言えるのではないか。
黒澤映画としては通俗的すぎる場面は確かに多いが、俳優の芝居のうまさと魅力であまりそれを感じさせない。志村喬、千石規子、左卜全、小沢栄太郎などの達者な芸。三船敏郎がオルガンを弾くレアな姿。なぜか峠まで歩いて来る山口淑子(李香蘭)。珍しく黒澤映画に出ている北林谷栄。可憐・桂木洋子の目の輝き。後の名悪役・神田隆は長髪の二枚目。三井弘次や日守新一もパターンの演技ながら、黒澤映画愛好者には懐かしい顔。
でも何と言ってもこの映画でグッとくるのは、へべれけに酔いながら「来年こそは!」と気炎を上げる左卜全と志村喬の場面。弱い男の心の中の叫び。黒澤も我々と同じ弱い(ところもある)人間なんだなぁ、と感じさせる珍しいシーン。
三船と志村が見上げる満天の星。「世界の黒澤」も案外メルヘンチック。必見。
黒澤映画としては通俗的すぎる場面は確かに多いが、俳優の芝居のうまさと魅力であまりそれを感じさせない。志村喬、千石規子、左卜全、小沢栄太郎などの達者な芸。三船敏郎がオルガンを弾くレアな姿。なぜか峠まで歩いて来る山口淑子(李香蘭)。珍しく黒澤映画に出ている北林谷栄。可憐・桂木洋子の目の輝き。後の名悪役・神田隆は長髪の二枚目。三井弘次や日守新一もパターンの演技ながら、黒澤映画愛好者には懐かしい顔。
でも何と言ってもこの映画でグッとくるのは、へべれけに酔いながら「来年こそは!」と気炎を上げる左卜全と志村喬の場面。弱い男の心の中の叫び。黒澤も我々と同じ弱い(ところもある)人間なんだなぁ、と感じさせる珍しいシーン。
三船と志村が見上げる満天の星。「世界の黒澤」も案外メルヘンチック。必見。
ザ・ラスト・ワルツ―「姫」という酒場
まだ、30代のころ憧れの店でした
一度は行きたい店だったが高いので我々のこずかいでは行けない所でした
繁盛していた時の様子がこの本でよくわかり時代を担ってきた著名人が常連さんに沢山いたのにびっくりです。
今、山口洋子さんは療養中のご様子お元気になられることをお祈りします。
一度は行きたい店だったが高いので我々のこずかいでは行けない所でした
繁盛していた時の様子がこの本でよくわかり時代を担ってきた著名人が常連さんに沢山いたのにびっくりです。
今、山口洋子さんは療養中のご様子お元気になられることをお祈りします。