遠藤実さんは人並みならぬご苦労をされた生い立ちと以前新聞記事で読みました。
舟木さんが演歌95パーセントと解説されてますが、これこそ演歌なのだろうかと思える「ココロモチ」。
どの曲もよかったですが中でも「ソーラン渡り鳥」、昭和の高度成長期のあの時代の懐かしさが込み上げてきます。
舟木さんの声と曲のよさが相まって感動しきりです。

美味しくいただいております。
また機会がございましたら宜しくお願いいたします。

　ルックスも金も車も女も持っている主人公。詩人や小説家に憧れてはいるが、どっぷり浸かった華やかな生活から抜け出ることはなく、結局は芸能記者としてローマの夜で放蕩を尽くし続ける。ここに描かれた華やかで馬鹿馬鹿しい乱痴気騒ぎの数々を通して、フェリーニが現代社会を批評して見せたという解釈は当たっているとは思うが、それにしても、この主人公の「甘い生活」は毒々しいまでにゴージャスで魅惑的である。（主人公と同じくらい沢山のものを手に入れていたら、我々の大半はやはりそれらを手放せずにこんな乱痴気騒ぎを続けることになるのではないだろうか。）徹底的に虚飾をゴージャスに描くことで、逆説的に毒々しさ、空しさを際立たせるというフェリーニの計算は完璧である。

　「ニヒリズム」という言葉を出しているレビュアーの方には僕も同意で、主人公が手にしているものがどれも虚しいものだということを確信していないと、こんな映画は作れない。主人公の父や知人の作家のエピソードを踏まえれば、家庭や芸術すら主人公に救いをもたらしてくれない訳で、そんなところにも監督のニヒリズムが徹底されているように思う。

　後から後から出てくる美女達に、ロマンチックなローマの街並み、そして自然の輝き。モノクロ映画だということを全く感じさせない映像美が圧倒的で、是非HD画像で楽しむべき映画である。