Sneakin Sally Through the Alley
ワタクシ的には、MTV全盛の頃、レンタル店でこの人のにや~とした笑顔のアルバム(Riptideですね)がずら~っと並んでいて、音もあの頃の流行の音で、勿論当時はパス!でした…いやー全然知らなかったっすよ。実はデビュー盤のコレはAllen ToussaintとかMetersとかと関係があるなんてね。聴いてみると、おおおかっこいい!!もろMetersでーす、という感じ。これは買いですね。かなり得した気分。
Riptide
<ガイドライン> 1949年生まれのイングランド出身のブルーアイドソウル/アダルトコンテンポラリー歌手。1985年度作品。MTV時代を上手に利用した策略家でもある。
<聴き所と注意点> 本来彼は『アメリカの南部の音楽=ミーターズやリトルフィートなどを敬愛していた人物であり』バックボーンにそのような日本ではマニア受けの分野がクロスするやっかいな人間なのだ。『趣味人モーズアリソンをカヴァーしてみたり』『レゲエ/テクノに接近したり』その音楽姿勢は本当に賞賛に値する。
このアルバムでは『パワフルでソリッドなファンク』に焦点をしぼっていたように思う。『シック』『システム』=(デヴィッドフランク)はまさにその理想のバンドなのだ。このアルバムにその感触は濃厚に表れている。
バックに『ソリッドな音』を出せる人間を集結させている。つまり『ジェフボヴァ』=(ハービーハンコックのロックイットバンドやチェンジ)/ウオリーバダロー(レベル42の影のフィクサー)/バーナードエドワーズ=このアルバムをプロデュースもしてるがすでに他界。(シック)/トニートンプソン=(シック)
そして極め付けは『ジャム&ルイス』の曲を堂々とカヴァーしちゃっているところ=ジャネットジャクソンのブレーンたちの曲だわナ。チャカカーンだってバックコーラスで参加だもの。どんだけ黒いかはこれでわかるというもの。
肌の色は関係なくこのロバートパーマーが『心に響く声』と『音楽的にしゃれもん』であることがこのアルバムを輝くものにしている。ヘヴィーメタリックなアレンジは抜きにして考えると彼の作曲能力はかなり高いと言わざるを得ない。(6)で感じる『かなりの皮肉屋ぶりが』たまらんですね。
Very Best of Robert Palmer
ロバート・パーマーの初期の作品から
アルバムリリース当時の新曲が入ったベストアルバムです。
このアルバムを聴くだけで、彼の守備範囲の広さが良くわかります。
音楽に詳しくない私にもそれがわかるところが凄い。
音楽を楽しんでいるなー。
お気に入りの曲に出会ったら、
その曲を収録しているアルバムを探して聴いてみるのも楽しいですよ。
私が初めて聴いたロバート・パーマーのCDということで
ロバート・パーマー入門としてオススメの1枚です。
聴けば聴くほど夢中になること請け合いです。
Pressure Drop
ニューアルバムがリリースされたベテランシンガー。この人のサウンドは『めちゃめちゃ渋い』ので、ライトユーザーにはなかなか理解されにくい難点を持っています。またロバートは世界中の『魅力的な音楽を』自分の中に取り込み料理するというかなり手の込んだことをする人なのですよね。なのでこれまたわかりにくいわけです。たとえば=ニューオーリアンズの音楽、スワンピーな音楽にいちはやく取り組み=それを『かなりかっこいい形で体現できている』というものすごさ。かなり本格的な黒人サウンド=まんま黒人なサウンドはびびります。
上記のような事情で日本ではマニアだけのものとなっていました。サウンドは限り無くファンキーであり、リトルフィートに近親性があると思われます=実際にバックにリトルフィートを起用してる。重心の低い音楽がロバートのお気に入りみたいですね。アラントゥーサンのカバー、レゲエ処理など彼の『趣味世界』が前面に出ているアルバムであります。ダリルホール、トッドラングレン、アランゴーリー、ポールキャラックが好きな人であるならば、はまれると思います。大衆に受けるかどうかなんて考えていなくて、『自分のハートにがつんとくるサウンドを追求』した成果なのではないでしょうか。声の説得力はへたな黒人を越えております。そしてまた特筆すべきは時代をかなり先取りしていたと言うのがよ~~くわかります。
ロバートの声は本当に『黒い』のです。人間感情の深い部分をダイレクトに写し出しているものであります。10点中10点