キネマ旬報 2007年 5/1号 [雑誌]
阿部寛特集非常に良いです。最近「大帝の剣」や「アジアンタムブルー」、「トリック」などの映画や「ドラゴン桜」、「結婚できない男」などのいろんなドラマで俳優としての個性を出している
阿部寛。 彼自身の役者としての5年後、10年後がどういう個性を持った役者になるのだろうと思うと楽しみです。これからの日本映画界を背負って立つ俳優さんの一人であることは間違いないのですから。これからも映画を中心にいろんな作品での活躍を祈っています。
ジャック・ソード 選ばれし勇者 [DVD]
この映画、ギャスパー君のフルヌード有り、後姿なのですがコマ送りにして見たら太ももの間から大事なものの黒いかげが見えるような気がします。ですがカケラ程度です、僕は買ってよかったと思います。モロでは無いですが。
ハンニバル・ライジング 完全版 プレミアム・エディション [DVD]
過去のレクター・シリーズはすべて観てましたが、本作は評価が微妙だったり、若手俳優によるレクターの演技に期待が薄かったので、いままで観てませんでした。しかし観て驚きました、面白いじゃないか!と。始まって早々、美しさと緊張感が張り詰めた映像に目を奪われました。本作が過去のシリーズと大きく違うところは、舞台が現代から1950年代になったところ。レクターの若い頃を描いているので当たり前ですが。なので、映像の雰囲気が今までと違います。冒頭のハンニバルの家族と幼い妹が殺されるシーンはとても切なく、以後のハンニバルには感情移入してしまいました。今回のハンニバルの犯行は妹を奪った男達への復讐なので、殺害シーンは不謹慎ながらもスカッとしてしまいました(ゆえに、肉屋の殺害シーンは余計だったかも)。ハンニバルの存在に気付いた敵側も反撃を試みる展開も面白かったです。若いながらも医学知識を持った天才的な頭脳と、相手の行動の先を読むハンニバルの犯行には、のちの中年・初老のレクターの面影が見えました。ギャスパー・ウリエルは経験が少ない若手俳優さんながらも見事にハンニバルを演じきったと思います(ホプキンスとはまるで顔が違いますが・・・)。最後に明かされる真実はショッキングでした。あの一言でハンニバルは真のモンスターになったと思います。私はそんなに気になりませんでしたが、日本人のお怒りをかった間違った日本の要素はいらなかったかも。日本版は剣道や鎧のシーンなどはカットしてもよかったかもね。
羊たちの沈黙 (特別編) [DVD]
連続殺人事件が主題だし、ショッキングな描写もあるし、一歩間違えれば3流ホラーにもなりかねない題材だが、ジョナサン・デミ監督の演出力と出演者の力量で名作の域まで高めているのは見事と言う他はない。緊張感ある演出で特に最後の犯人のアジトに向かうクラリスとクロフォードの同時進行のデミ監督の演出は見事。
もちろん有名な原作の素晴らしさもあるが、映像として見た場合は顔の見える配役も重要な要素で、この映画では中心になる3人を演じる俳優が皆良かった。
レクター博士はアンソニー・ホプキンス以外の俳優は今となってはもう考えられない。それほど適役で見事にはまっていた。もちろんジョディ・フォスターもよかった。(個人的には「ハンニバル」のジュリアン・ムーアは非常に違和感があった)
しかし、もう一人の重要な出演者であるスコット・グレンの存在感も見事であった。スコット・グレンは一見地味ですが、名脇役で多くの映画で渋い演技を見せてくれており、彼のフィルモグラフィには「ナッシュビル」「ライトスタッフ」「シルバラード」「地獄の黙示録」「バックドラフト」など70年代後半から90年代前半までの名作・佳作が多くある。
原作ではスコット・グレンが演じるクロフォードは、家に帰ると病気の妻の看病をしている描写もあり、彼の人物像がもう少し深く描かれていれば、より完全な作品になったのではないでだろうか。作者としてはクラリスVSレクターに話をしぼりたかったのかもしれないが、クロフォードが部下であるクラリスに気のある中年の上司程度の描かれ方だったのが気なった。
ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)
評判悪いですが、それなりには面白かったです。
数年に一作、渾身の作品を出す、寡作の作家・トマスハリスの作品だと思うと拍子抜けしてしまいますが、よくいる乱作気味のベストセラー作家の作品ならば、十分及第点ってレベルかな。