じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ (新潮文庫)
「じゃじゃ馬ならし」は、「じゃじゃ馬」だと思われていたケイトが、一人のタフ・ガイと出会って魅力的な女性に変身する話。一方の「空騒ぎ」は、男嫌い、女嫌いのベネディックとベアトリスが、友人たちの好意ある罠にはめられ、それぞれ優しい女性、頼もしい男性であることに気づき結婚に至る、という喜劇。共に「思い込み」がテーマになっている。
でも、「思い込み」とはなんだろう? ケイトはみんなに「じゃじゃ馬」だと思われていた。自分でもそう思っていたに違いない。だが本当は、ほかの誰よりも女らしい女性だった。--本当だろうか? 劇の冒頭、私たちは彼女を「じゃじゃ馬」だと思い込んでいた訳だが、それなら終幕の理想的な女性となった彼女にだって、そう思い込んでいるだけかもしれない、と疑うことも許されるのではないか? この二つの喜劇に共通している本当のテーマ、それは「私とは誰か」という、もっと根源的な問いかけかもしれない。
私は私だと思っている。私はこれが本当の自分だと思い込んでいる。でも実際の私はぜんぜん別な人間かもしれないし、ただ自分でそう思い込んでいるだけなのかもしれない。私は「じゃじゃ馬」かもしれないし、そうでないかもしれないし、あるいはその両者であるかもしれないし、両者とはまったく無関係かもしれない。ーーひとつだけ明らかなのは、人間は変わる、変わり得る、ということだろう。
アナタハ、本当ニ、アナタデスカ?
繪本 シェイクスピア劇場
シェイクスピアを知っている人も 知らない人も楽しめる絵本です。10の史劇、11の悲劇、16の喜劇の37作品が全て収められています。 著者はシェイクスピアのスペシャリストであり、著者の意見を交えながらの物語のあらましがとてもシンプルに書かれています。劇の一場面を描いた安野先生の画も素晴らしいです。各劇の登場人物、そして名台詞が英語及び日本語で記されています。巻末には 英国王家の系図とシェイクスピアの年譜の付記があります。劇を鑑賞する前、または作品を熟読する前のガイドブックとしても役立つこと間違いありません。
ノーティ(じゃじゃ馬馴らし)
グルーヴ、メロディー、ヴォーカルが一体となった傑作アルバムです。ヴォーカルパワーを見せつける一曲めから2曲目のミディアムブローへの流れで引き込まれ、そして美しい9など最後まで名曲ぞろいで途中で止めることができません。他のレヴューにもありますが、やはり5の胸をぐっとつかまれるようなグルーヴは圧倒的でしょう。チャカのアルバムはルーファス時代から常にすばらしいアルバムを作り続けていますが、これはその頂点かなと思えます。
じゃじゃ馬ならし シェイクスピア全集 〔7〕 白水Uブックス
居酒屋で泥酔して熟睡している鋳掛屋クリストファー・スライ。
そこへ領主が家来を連れて現れて彼をからかうことを思いつく。
スライが目覚めれば、音楽が鳴り、甘い香水の匂いに包まれ、
領主とその家来達が「お殿様」と恭しくかしずき、美しい奥方に
女装した小姓が「わが殿」と甘くささやく。
家来が語る「十五年間の眠りから覚めた殿様」というフィクションに
幻惑されたスライは、領主おかかえの役者達が演ずる愉快な喜劇を
観覧することになります。それが『じゃじゃ馬ならし』なのです。
この喜劇はスライが、ペトルーチオのキャタリーナ教育を見る、
という二重構造なのですが、スライが第一幕第一場で再登場した後、
最後まで出てこないこともあってか、彼のエピソードは上演では
カットされてしまうことが多いのです。
「自分は本来殿様で、美しい妻・従順な家来たちがいる男だ」
というフィクションに惑わされる、というエピソードは、
「妻は夫に従うべき」という劇中劇『じゃじゃ馬ならし』の
ちょっと危険なテーマとのバランスを保っているような気もします。
じゃじゃ馬ならし [DVD]
名優リチャード バートンと出会い結ばれ戯曲「バージニアウルフなんか怖くない」で見事、2度目のアカデミー主演女優賞を獲得した絶世の美女といわれた女優のエリザベス テイラーが次に選んだのがこの戯曲作品でした。この戯曲はかつて黄金カップルと言われたアクロバット俳優のダグラス フェアバンクスとアメリカの恋人といわれた女優のメアリー ピックフォードが夫婦で共演をし話題となった作品でもありました。名優リチャード バートンはやっぱり演技が上手いですねぇ、野蛮で堕落的な男を実にコミカルに演じています、エリザベス テイラーは前の映画の役作りで体重を増やし、減量が追いつかずにまだまだ少しふっくらとしていますがそれでもやっぱり綺麗ですねぇ、演技もなかなかのもの、後、注目なのがこの映画でデビューをしたイギリス俳優のマイケル ヨークですねぇ、金髪にスマートな容姿が実に良く演技もなかなかのもの、彼は後年、「ドクターモローの島」で名優のバート ランカスターとも共演をしていますね、とにかくこの「じゃじゃ馬ならし」実にコミカルで力強く観ていて実に楽しい作品でしたよ。