男子厨房学(メンズ・クッキング)入門 (中公文庫)
10年前この本と出会ってからビョーキともいえる私の料理人生が始まった。センスの良いくだらなさにニヤニヤしているうちにたまらなくハラが減ってくる、自分の手料理がたまらなく食いたい!
世界の野菜を旅する (講談社現代新書)
著者の初期のころの料理に関する本で、「料理の四面体」という本があり(文庫本になっている)、これを読んで、「頭のいい人だな〜」と関心した記憶がある。「理論篇」としてぜひご一読を!!
この「世界の野菜を旅する」については、その後の世界中の旅行体験の裏打ちのある「実践篇」と捉えている。歴史上の薀蓄とか野菜に関するエピソードも満載で、内容も豊富。
でも、野菜を論じて、世界をめぐることができるのは素晴らしいね・・。
パリ・旅の雑学ノート―カフェ/舗道/メトロ (中公文庫)
本書は30年も前の若き玉村氏が見てきたものを書きつづった、
パリの雑学である。
かつて新潮文庫で出版されていたものを復刊したわけだが、
やはり、それだけの価値はある。
出てくる物価は今と異なるし(通貨単位はフランである)、
最新の情報が25年も前のデータだったりするが、そんなことは問題ではない。
例えば「カフェ」について本書の半分以上、実に150ページも割いているが、
それはパリを知るにカフェがいかに重要な位置をしめるかということでもある。
読んでいけばカフェがパリの生活・文化の中心にあることが分かるし、
ルーブルやオルセーよりも通うべきところであるように思えてくる。
一見、役に立たないようなことが読者を引きつけてやまない、
やはり、これは一級のガイドブックであると言っておこう。
料理の四面体 (中公文庫)
「すべての料理の基本を語り尽くした名著」というフレーズが気になって手に取りました。
最初にアルジェリアの羊肉シチューが出てきます。
そしてそのメソッドを料理の基本に分解していく。
肉を炒めることで旨味を閉じ込め、肉汁をソースとして回収しつつ味を調える。
このバリエーションでフレンチからなぜか豚の生姜焼きまでもが出来てしまう。
まあいろんな味にチャレンジしてみて楽しむのがいいよっていうかんじかな。
面白かったのは、フレンチの基本はオーブンにあるため火を使わないものは料理ではないといった文化論でした。
そして農家で作られるブフ・ブルギニョンやローストビーフとヨークシャプティングの関係といった笑える歴史的考察も興味深い。
料理をするのもこんな風に考えながらだったら面白いね。