SABU~さぶ~ [DVD]
主人公さぶと栄二の友情がダイレクトに描いてあり、今の時代では少し気恥ずかしいくらいの真っ直ぐな情熱が、観る側をも素直にさせてしまう気がします。女性が女性らしく、男性が男性らしくあった、ある意味生きにくかったのかもしれない時代を、人物も風景も魅力的に描いてある作品です。
砦なき者 (講談社文庫)
テレビドラマの脚本家、野沢尚ならではの作品。
報道や取材に関する描写が丁寧で細かい。
そしてそこで起こる人間関係の力学に始まり、
報道被害、そしてテレビが作り出す「カリスマ」の姿が、
克明に描き出される。
「破線のマリス」の延長線上にあるこの作品は、
テレビを含むメディアの恐ろしさを自覚した
一人のテレビマンからの警鐘と言えるだろう。
つくづく、惜しい作家を亡くしたものである。
砦なき者
以前のTVドラマが深く印象に残ったので、改めて読み
直しました。
八尋がカリスマ化していく過程には多少無理がある面も
否めませんが、それを補って余りある迫力が感じられる
作品だと思います。
また、主人公やその部下達の報道にかける意気込みやプ
ライドは、低俗なバラエティばかりの今の日本のマスコ
ミ(特にテレビ)関係者には是非見習ってもらいたいと
感じさせるものでした。