個人主義の鼓吹や、基本的人権の尊重、法の下の平等、公共の福祉に反しない限りでの個人の自由の尊重など、当時まだ大日本帝国憲法が発布されるかされないかという時期において、既に日本国憲法の精神を先取りしてしまっている福沢諭吉の知性と教養には感嘆せざるを得ません。また、文体も簡潔明瞭、平明達意。一般人には到底理解することのできない多くの啓蒙書が発行されていた当時において、庶民への配慮に最大限心がけ、彼らを巻き込みながら日本の近代化を果たそうとする彼のスタンスにも素直に好感を覚えました。現代人の我々にとっても学ぶべきもの多き名著だと思います。
金持ちになりたかったら勉強しなさい!ってことかもおすすめ度
★★★★★
まず出だしの一編について、私は「金持ち(偉い人)になりたかったら勉強しなさい」というメッセージだと捕らえた。書名からは「勉強しなさい!」と説教じみたことが書かれているのかと思ったが、違った。最初の1ページから楽しい裏切りがあった。また、孔子の言葉を引用して、「こんなことを言うのは愚者である」など、ばっさりと切り捨てるところもあり、一級のエンタテインメントとしても読める。このいい意味での裏切りは痛快である。
後半は、“こうあるべき”という論調になっていくのだが、導入部で本書に引き込まれてしまうので、“説教じみた”話もすんなりと受け入れることができた。現代のビジネス書では、“こうあるべき”を本当に説教として書かれているものが多く、そのような本は自分が叱られているような気がして読んでいてつらい。「学問のすゝめ」は、読み手が自然に読み進められるように気を使っているようだ。そのためか、文章も平易に書かれている(平易に書いていると著者は記している)。
平易とはいえ現代人には読みづらいのだが、読めなくはない。「昔の本だからなあ」と敬遠していた人も、本書であれば読みすすめられると思う。チャレンジする甲斐があるビジネス書の原典だと思う。
納得の出来
おすすめ度 ★★★★★
言うまでもなく最高峰
!いや~、ほんと(・∀・)イイ!久々に良い買いモンをしました。
買って良かったと思います。