
雪夫人絵図 [DVD]
この映画は製作されてすぐに公開されず、お蔵入りになったいわば曰く付の映画である。そして、後年製作会社の東映のルートではなく、何故か日活の配給で公開されたのであった。
中味は既に成沢昌茂監督の師匠筋の溝口健二監督が最初に映画化されているもの。東映が何故お蔵入りしたのかは、他の公開作と肌合いが異なり、営業政策上の問題ではなかろうか。また、何故、日活が配給したか。これも営業政策の上でロマンポルノ路線を敷いていた同社には違和感がなく、配給するだけで1本制作費が浮くという思惑があったのかもしれない。ともかく名画座でもあまりかかったことがない幻の作品ともいうべきもので、そのソフト化は映画ファンにとってはありがたい。

新座頭市 破れ! 唐人剣 [DVD]
座頭市の居合いと唐人剣士の異種格闘を楽しむ映画ですね。
ドラマは無駄死にする人が多く浅く悲しくむなしいので
期待しないようにして香港アクション対勝新のチャンバラに絞って楽しめば
悪くないと思います。
ただ異種格闘技の試合がかみ合わない場合が多いように
この映画の殺陣も若干かみ合ってはいません。
てんぷくトリオが暗い話に笑いを持ち込もうとしていますが
・・・これも話の根の暗さと合ってなくて浮いてます。
そんなわけで座頭市にはめずらしく
善人がほとんど死んでしまう展開であり、カタルシスがなくて残念でした。

五番町夕霧桜 [DVD]
やっと、DVD化されました
松坂さんの映画の中では何故今作だけDVD化されなかったのか不思議なくらいでした
松竹のお嬢様女優だった松坂さんが、徐々に演技派女優へと変貌していく作品の始まりだと思います
前回映画化されたときは、佐久間良子の悲しさが強調されましたが、松坂さんのは儚く芯の強い夕子のイメージです
主題歌は、岸田智史・・・とてもいい曲なのにこちらは商品化されておらず、この映画の中でしか聴けません
山根監督らしく劇的な録り方とのミスマッチも楽しめます

迷路荘の惨劇【リマスター版】 [DVD]
迷路荘(名琅荘)といわれるが如く、 八つ墓村のあの鍾乳洞を思い出させるような好奇心や冒険心を少々味わえます。探険隊を組織して調べますか!!なんとなくよい感じですね。
横溝作品の中でも、怪奇性、冒険性という点ではおもしろいと思います。
特に三橋達也さんがよい味をだしておられます。とても感じのよいキャラクターです。
映画版の石坂浩二さんが最も合いますが(この作品は映画版はなし)、古谷一行さんの金田一は、ほのぼのとしていて見ていて非常に落ち着きます。
しかし、どの作品も最後はとても言いようの無い辛さを感じます。れいによってこの作品も然りです。