キングダム・オブ・ヘブン 特別編(初回限定生産) [DVD]
12世紀末に起きたドラマを描くことにより、現代の時事的な問題にも焦点を当てた作品であると感じました。ゴドフリー(クワィゴンシンことリーアムリーソン)に、キリスト教徒とイスラムが仲良くできるような世界を作るのだと言わせたことによってこの映画の価値と品位が一段と高まりましたね。リドリースコットなかなかやるねえ。この不安な時世にこの映画を出した意味は大きい。これはただの甲冑物ではないですね。また、リドリーの映像ファンの皆様も大満足するに違いない鮮烈かつ鋭い映像表現が最初から終わりまで満載。彼の映像センスに一度でも共感を覚えた方は、これを観るべきでしょう。映画館だけでは、なかなか細部がチェックできないので、ここはDVDを買ってディテールまで研究すべき! 彼の映画はいっつもですが、一回観ただけでは見落としてしまうカットがあるから(笑) エヴァ・グリーン! リドリーが起用しただけあって、凄い美人ですね。フォトジェニックというのか輝いてました。ここは、ぜひ007シリーズにもボンドガールとして出て欲しいと勝手に思いました。また、オーランド・ブルーム。めちゃくちゃ良い俳優ですね。存在感にカリスマ性があって大変結構。また、イスラムの指導者サラディンやってたハッサン・マスードって渋いですね。サラディン、実際の伝説のイスラム指導者。映画の中でも賢く立ち回っていて魅力的な人物として描かれてました。そう、味方も敵も実に生々しくリアルに描かれていて実に良心的な質の高い強力大推薦的映画!
キングダム・オブ・ヘブン/ディレクターズ・カット [Blu-ray]
映像,音声ともに申し分ありません。特に遠景撮影のシーンなど、非常に細かいディティールまでがクッキリと反映され、BDならではのスペック力が反映されてます。物語は、DVDに比べて解りやすくなっている半面、個人の感想としては少し長ったらしくも感じました
キングダム・オブ・ヘブン [DVD]
DVDの通常版と、Bru-rayのディレクターズカット版の両方を保有しています。この映画は、私のお気に入りです。
最初に通常版を購入し、その後ディレクターズカット版を購入して見比べて、驚きました。通常版は、時間的な制約から、ディレクターズカット版より多くの物語の展開がカットされて、セリフもそれに合わせて、細かく修正されていることが分かりました。もし、これから新規にこの映画を購入されるのでしたら、Bru-rayのディレクターズカット版がお勧めです。ただ、Bru-ray版の唯一の不満は、DVDの通常版には、史実解説の字幕があるのですが、それが収録されていないことです。
以下は、ネタばれになりますが、DVDの通常版と、Bru-rayのディレクターズカット版の違いです。
知りたくない人は、読まないでください。通常版のDVDだけを見る場合でも、以下の情報があると、物語の理解が深められます。
最初にバリアンに殺される神父は、バリアンの異父兄弟。この神父は、バリアンを追い出して、財産を奪おうと画策しており、バリアンは妻の自殺後に、発狂したとしてこの神父のために投獄される。また、自殺したバリアンの妻の首を切り落とさせたにも関わらず、教会のビショップの前ではそれを隠し、バリアンの前では、うっかりそれを漏らしてしまう。バリアンが、神父に怒りを爆発させた理由はここにある。
ディレクターズカット版では、バリアンは、単なる鍛冶屋ではなく、投石機などの武器の製造に優れ、銀細工もでき、戦歴もあることが分かり、イスラエル到着後は、国王に対して、城壁の防衛についても助言をする。それが理解できれば、最後の戦闘シーンで、バリアンがエルサレムの防衛で優秀な戦術を使うことができた理由が分かる。
バリアンの住む村は、ゴッドフリーの兄(弟?)が治めているが、領主の城内のシーンは、通常版にはない。兄は、ゴッドフリーが後継ぎなしに死ねば、ゴッドフリーの治めるイスラエル内の領地も、自分が受け継げると期待する。ドラマの始めに、バリアンの引き渡しをめぐって、激しい戦いが始まる理由は、ここにある。
ディレクターズカット版には、イスラエル国王(ボードワン4世)の世継ぎとして、シビラが産んだ幼い子供のボードワン5世が登場します。しかし、この5世もその後ライ病にかかっていることが分かり、シビラは、彼を毒殺します。その後に、シビラは、夫のギーを次期国王に戴冠します。通常版は、ボードワン5世のエピソードを、全部カットしています。
シビラは、バリアンとの不倫関係に陥りますが、ディレクターズカット版では、ギーも別の女性(シビラの召使い?)と不倫関係にあることが分かります。
バリアンは、イスラエル開城後に、ギーと対決します。通常版では、ギーはサラディンに、引きまわしにされて、処刑されたかのような印象を受けます。
細かい点はいろいろありますが、主な違いは、こんなものです。
キングダム・オブ・ヘブン 公式完全ガイド
映画より前の歴史、十字軍遠征の始まりや映画終了後の歴史も載っているので
本編を見てない人も見たけどよく分からなかったという人にもお勧めです。
各映画に登場したシーンもあるけど、それよりは制作の裏側
武器、衣装、ラフスケッチ、CGに力が入っていますね。
絵を楽しむ事も文章として読むこともできますが、どちらも中途半端な印象でした。
ボードワン4世(エドワード・ノートン氏)の絵が少ないので
彼のファンには不満が残るかもしれません。