エルドラドゲート 1巻
パッと見、手抜きにも見える。移動速度や戦闘のテンポも悪い。しかし、世界観やストーリー、音楽はよく、他のファンタジー系にはない独自の雰囲気をもっているため、エキゾチック、メルヘンにも感じる。レベルの概念が無い変わりにお金で強い武器や防具を買う必要がある、しかし、同じ武具でもそれぞれ属性が違うため状況に応じて違う属性の武具を装備しなおたり属性変換したり、違う属性の同じ武具かより強い武具とその違う属性を購入する必要がある。後半はさらに合成もある。とにかく金、金のゲームである。その独自の成長(?)システムがさらにテンポを悪くしている。そして当時としては斬新な隔月発売の2700円。一つ一つは安いが全7巻合計するとかなり高い。何かと惜しいゲームだが個人的にお気に入りの一つなので★5つ
7つの黄金郷〈5〉 (中公文庫―コミック版)
いよいよ第3部となりました。
個人的には、この3部はいろいろと苦手な部分が多いのですが
敵側スパイ総元締め、紅蜥蜴の正体と素顔が明らかになるため
やはり、読まずにすごすわけにはいかないでしょう。
(素顔は、第6巻で登場します。もちろん美形)
畏れ多くもローマ法王などもでてまいります。
2部に比べて、作者は不調だと思いますが、5巻部分は
少なくとも絵は綺麗です。
3部の冒頭のエピソード、クレメンテ公が紅蜥蜴に疑われ
オリビエが拷問される、というのには感心しません。
2部で刺青の公表役を受け持ち、また、スコットランドに同行して
双子の身を守ったという一連の出来事を無視しています。
クレメンテ公が紅蜥蜴なら、オリビエはとっくの昔に暗殺されていた
はずです。
この不自然な設定はひとえにクレメンテ公の過去を明かすために考えられたのでしょうが
その場面の公があまりにもせつなく美しいので、ひとまず設定の不自然さは
不問に付します。
しかし、6巻部分ではクレメンテ公は瀕死の重傷を負い、
お風呂にも入れなくなってしまうという
あまりにもロレンツォさまをないがしろにしたこの3部って
もう少し何とかならなかったんでしょうか。
公が意識不明で生死の境をさまよっている間に
ロレンツォファンの3/1は紅蜥蜴ファンに流れたものと推定されます。
(その点アーサーファンからの移動は少なかったと思われます。マリオットファンやドレークファンなどの渋い層も流れたか二股かけたものと推定します。)
EL DORADO
フレッシュな果実もおいしいですが、手間暇かけてコンポートにしたことで、フレッシュな果実以上により果実のおいしさを感じるでしょう?と言われているような一枚。
レーベルを超えた選曲、数々の先進的な設計を加え、TSUKEMEN自体が13曲中7曲をテーラーメイドで形作った洗練のオリジナル曲など、ここでしかない話題と魅力に満ち溢れた究極のNew Albumです。
インディーズ時代の1枚を加えると通算4枚目のアルバムになるのですが、これまでアグレッシブなチャレンジを重ねた結果、強い意志を以てEL DORADOに辿りついたことが窺えます。
これまでのどのアルバムよりも疾走感があり、似たり寄ったりな曲を一切感じさせない。他の追随を許さないその優雅な響きは、彼らだけが生み出せるものなのでしょう。
更には、このアルバムが前作のアルバム「KIYARI」のツアーから僅か1週間後にリリースされていることも、彼らの才能に戦慄を覚える理由のひとつでもあります。
情熱がない曲は、人の心に火をつけることは出来ない。水を中途半端に温めても、いつまでたっても沸きはしない。沸騰させるには、一定時間集中して熱しなければならない。
そのためにはまず、自分が熱く燃え100℃以上になり、沸騰するまで集中することが大切であり、その水は沸騰するとぐつぐつと滾り、そこに今までとは違うパワーが生み出されたのでしょう。
EL DORADOは憂鬱な月曜日の朝のラッシュも、疲労がピークに達する木曜日の夜の帰り道も、いつも私を支え、足取りを軽くしてくれます。
聴くたびに自由と興奮を与えてくれる13曲は所有する者に共感と気づきを与える存在。そして、アルバムを聴いたら必ず、心奪われるためにフレッシュな果実を味わいたくなる。
7つの黄金郷(エルドラド) (1) (中公文庫―コミック版)
うろ覚えですが、『三銃士』や『岩窟王』やアルセーヌ・ルパン(だったかしら)
そんな色々な面白さを詰め込んだ作品を書きたいと作者がどこかに
書かれていました。確かに影響をうけています。
舞台は16世紀末エリザベス女王の統べる英国。
スペインとの宗教戦争のまっただなか、王家の血を引く双子と
美貌の敵国人、そしてかっこいい同国人たちの恋の物語です。
伯爵や公爵や女王陛下や枢機卿などがでてきます。
ジプシーや泥棒や海賊や幻のインカの伝説なんていうのもでてきます。
こんなタカラヅカ真っ青のような豪華な設定の少女漫画が昔はあって
週刊誌で毎週読むことができたなんて、とても幸せなことでした。
確かに微妙に荒唐無稽だったり、歴史の考証ミスはありますが、
たとえば『三銃士』の荒唐無稽が決して作品のキズではないように
この作品の荒唐無稽さも、作者の執筆の勢いとして、光り輝くように
感じています。
また、この歴史考証はどうのこうのというのも少女漫画の読み方としては
つまらないものだと思いますので、西洋史に詳しい方も目くじらを
立てずにロマンの旅にでてほしいです。
読後に、登場人物の名前の由来を映画スター、歴史上の人物
小説の登場人物などに探したりするのも楽しいです。
もしかしたら、暇人向きでしょうか。
残念ながら未完ではありますが、1部から3部まであり、各部で完結した
ストーリーですので、十分楽しめます。
1部と2部だけ読むという読み方もあるかもしれません。
この作品の完結を願っていましたが、このような素敵な漫画に
子供のころに出会えただけでも、私は作者にとても感謝しています。
そして、とても才能のある漫画家であった山本鈴美香さんが少女漫画界から
早くに去ってしまわれたことを、いつまでも残念に思います。