玉ねぎの皮をむきながら
現代ドイツを代表するノーベル文学賞作家、ギュンター・グラスの自伝。玉ねぎの皮をむくように、作家は自らの過去を明らかにしていく。本書の中でナチスの親衛隊員だったことを告白し、世界中に衝撃を与えた。
とはいえ、あの年代でナチスの影響を受けなかった人の方こそ探すのが難しいだろう。17歳のとき、召集令状に従って行った先がSSの戦車隊だった、ということらしい。まだ子供で知らなかったとはいえ、ナチスのような犯罪組織に加担していたことを恥じて、今まで沈黙を守っていたという。
どうしても「告白」に目が行きがちであるが、『作家グラスの修行時代』としても読み応えがある。「このエピソードは、あの作品のこのシーンに使った」と創作秘話が盛り込まれて興味深い。また、無名の詩人が当時の文壇の大御所に見出され、トントン拍子に有名になっていくところは、本人も書いているが、まさにメルヒェンのようだ。
随所に挿入された玉ねぎの素描は、画家でもあるグラス本人の手によるもの。最後のほうに行くにつれ、皮がむかれて小さくなっていっているのにも注目。
Finally We Are No One
全体的には聞きやすいし、やろうとしてることも分かるが、如何せんボトムが弱い。エレクトロニカと言えば代名詞的存在のボーズオブカナダ(BOC)がいるが、あのビートが病みつきな自分には本作は少し物足りなかったという印象。曲展開にしても意外性やアイディアに乏しい。世界観は好きだが、高揚感やトリップ感といった点ではやはりBOCには及びない。まぁ結局好みの問題なんだが。
シムシティ2000
いろいろなシナリオがあって、オリジナルなアイコンもあり、ホントに日本人ユーザ向けに作られたすばらしいゲームだと思います。
初心者でも、優しい手順で教えてくれるシステムには当時といえども、脱帽です。