ドラゴン・チェイサー
ドイツのネオクラシカル・パワーメタルバンドの3枚目のアルバム。
今回のアルバムではドイツに古くから伝わる「ニーベルゲン伝説」を題材にしたコンセプト・アルバムになっていて、物語を追って楽曲が進行していく感じになっている。まぁコンセプト・アルバムとしての完成度は高いとはいえないが、楽曲はいつものネオクラシカル・スタイルでとても楽しめる。どういうわけかこのアルバムの評価ってあまり高くないみたいだけど、普通に良い出来ですよ?特に冒頭の2曲は名曲です。多分冒頭2曲と後半の2曲(Two KingsとToo Late)が強力なので中盤が印象に残りにくいのかも。あとインストが3曲あるのがいけないのか、僕はインストも好きなので楽しめますが。とにかく他人の意見に惑わされずに聴いてみてください。きっと気に入ると思いますよ。僕はこのアルバム好きです。
No Escape
元CENTERSの名手オラフ・レンク率いるメロディック・メタルバンド、99年発表の衝撃のデビュー作。
どうやらボーナストラックをつけて再発されたようだ。
ネオ・クラシカルな風味を湛えつつも、キャッチーなメロディを有したジャーマン・メタルの趣は、デビュー作である本作の時点でほぼ確立されており、オラフのギター・プレイは文句無くプロフェッショナル。オリヴァーの力強くも器用な歌唱も素晴らしい。
クラシカルなメロディに弱いメタラーは#1“Flying High”、#2“No Escape”という冒頭の疾走2連発で軒並みノックアウトだろう。
その他、教会をイメージさせる荘厳なイントロからスタートするクラシカル&キャッチーな3連チューン#5“All For One,One For All”、ドイツのバンドらしからぬリリシズム炸裂のバラード#8“Lost In Your Love”、メロの煽情力が強烈な#9“Power&Glory”など、名曲認定レベルの楽曲が目白押し。
後の作品で恒例化するアバやクラシックのカヴァーも織り交ぜ、ヴァリエーション豊かに展開する本作を聴かずしてメロディック・メタルは語れない。
この99年という年は、リチャード・アンダーソン率いる様式美メタル・バンドMAJESTICや、今や絶大な人気を誇るフィンランドのSONATA ARCTICAなど、デビューアルバムにして質の高い作品を発表してきた超大型新人の、まさに当たり年。
なんで前述2バンドが来日してんのに、彼らは来てないのよ!!(ToT)
歌唱、プレイスキル、楽曲の質をトータルで考えると、明らかに彼らのほうがいいモノ持ってるのに・・・。(まあそりゃ、イマイチ華に欠けるけどさ。)
フェイシング・ユア・エネミー
ドイツのメロディックメタルバンド、アット・ヴァンスの9th。2012作
往年のジャーマンメタルに回帰したような好作の前作からの流れをくみつつ、
よりメロディックな路線へとなった力作。うっすらとしたシンセアレンジと
リック・アルツィのパワフルな歌声、そしてオーラフ・レンクの巧みなギターワークで、
いくぶんのネオクラシカル要素も含めて古き良きテイストのメロディックメタルを描いている。
新鮮味は薄いものの、毎作のことファンは安心して楽しめる質の高さである。
Ride the Sky
マンネリは残りつつも試行錯誤はしてて前作より◎
疾走したりキャッチーなメロディは目立たないけれども、決して疾走曲が無いわけでもありません。
安定したクオリティを示すいいアルバムだと思っています。
ハート・オブ・スティール
ドイツのネオクラシカル・メタルバンドのセカンドアルバム。
メンバーが変わっておりドラマーがスプーニーからユルゲン・ルーカスに、前作でベースを担当したライナルドはリズムギターに、そしてベースはヨヒェン・シュナーという人物が担当している。音楽性は前作同様のわかりやすい(親しみやすい)メロディを持ったネオクラシカル・メタル路線で、前作を気に入った人なら間違いなく楽しめる。序曲「Prelude」からメインメロディーを受け継ぐ形で始まる勇壮な疾走曲「Soldiers Of Time」、オリヴァー・ハートマン作曲の共に歌いたくなる「The Brave And The Strong」、どっしりとした曲調だがサビが開放的な雰囲気を持つタイトル曲「Heart Of Steel」、思いっきりアイアン・メイデンっぽい(笑)「Don`t You Believe A Stranger」など捨て曲一切無しの名盤です。名手オーラフ・レンクのギターも相変わらず素晴らしい。初めて聴く人はこのアルバムから聴いてみるといいと思います。ABBAの「SOS」やショパンのカヴァーなども収録。