菊日和―母の日記が語る父との恋とあの頃の東京の暮らし
とても楽しく読みました。現勘三郎の華やかさ、芸の確かさが育った環境と遺伝によるものとしみじみ思いましたし、また細かく知ることができました。芸の伝承が花ひらく道程の努力は並々のことではありませんね。6代目菊五郎のこともすばらしい方と聞くのみでしたが、具体的に書かれていてとても身近になりました。久枝お母様は素敵な方だったのですね。日記を読みながらあの頃の女性の佇まいを偲びわが身が恥ずかしくなりましたし、もっとお行儀や日常の暮らしを気をつけようと反省させられました。私は人がどのように生きてきたかにとても興味がありますので一気に読みました。久里子さんも、いい本を出されておめでとう、これからの御健闘を祈ります。