五つの銅貨 オリジナル・サウンド・トラック
ジャズプレーヤーを題材にした映画には、古くはベニーグッドマン物語、グレンミラー物語、ドーシーブラザース物語、ジーンクルーパ物語などスイングジャズスターのものが上映されていますが、この作品は、レッドニコルスというコルネットプレーヤーを題材にしたもので、レッドニコルス自身は、良いバンドを率いていましたが決してスーパースター的な存在ではありませんでした。映画の中では、ダニーケイがレッドニコルスを演じ、とても素晴らしい演技と歌を聴かせていますが、実在のレッドニコルスはボーカルはやりませんでした。ですが、この映画でダニーケイに歌わせたのは、一番の魅力になっており、五つの銅貨、聖者の行進など色々な曲を個性豊かに楽しく歌っています。私は特にバンドのメンバーとスキャットコーラスで歌う「インディアナ」が気に入っています。ルイアームストロングと掛け合いで歌う「聖者の行進」は、ジョークや駄洒落の連続で実に面白いパフォーマンスです。黒人に生まれたニューオルリンズジャズが、白人のディキシーランドジャズに変貌する様子も分かるし、ストーリーもほのぼのしたハッピーエンディングでお子さんにも楽しんでもらえる良い映画です。
愛の夢~リスト・ピアノ名曲集
はるか昔、両親の仕事の関係で海外に住んでいたとき初めて
連れていってもらったコンサートがボレット氏の演奏会でした。
キラキラときらめくような美しい音色に幼いながらに何かに
突き動かされ涙を流したことを覚えています。その曲が巡礼の年第3年の
「エステ荘の噴水」です。本当に美しい曲、美しい演奏でした。
ボレット氏の演奏はひょっとしたらあまり日本人好みではない演奏
なのかもしれませんが、フジコ・ヘミング氏が評価されるようになった
昨今、ボレット氏の演奏を聞いてみるのも良いかもしれません。
そのきらめくような、まさにブリリアントと表現するのが一番しっくり
くる演奏はまさに「リストの曲」といった感じです。
サティ:ピアノ作品集(2)
エリック・サティ(1866~1925)が現在のようにコマーシャルにまで多く用いられ、生活に浸透して行った『演奏者』としての最高の功労者はと言えば日本ではあまり評価が高いとは思われないアルド・チッコリーニだろうし、日本における最大の功労者は間違いなく高橋悠治・アキ兄妹だろう。
1980 年2月、ニューヨーク州立大学バッファロー校に付属していたセンター・オブ・ザ・クリエイティブ・アンド・パフォーミング・アーツ(創造的演奏芸術センター)のメンバーであった高橋アキは、このセンターのディレクターであった作曲家モートン・フェルドマンからそこでのリサイタルにメシアン・クセナキスの曲とともにサティの『5つのノクチュルヌ』を所望された。高橋アキは、渋谷にあったジャンジャンで足掛け3年間『エリック・サティ連続演奏会』を行っていてほとんど全曲を日本でおそらく初めて知らしめていたのだ。時にジョン・ケージが大きくエリック・サティに傾倒していて、ケージと30年来の友人であったフェルドマンがサティ*ケージ*高橋アキの3つを繋いだと考えられる。
その時兄高橋悠治はサティの音楽をより、音楽論的に作品分析を行っている。
例えば最も有名なサティの曲『ジムノペディ第3番』は、メロディーをMとし、前奏・間奏・後奏をLとして小節数を数えると次のような図式になる。
L4M9M7M7/L3M10/L2__M6M7/L5
かくて主旋律から伴奏和音が予想できず、あらゆる虚飾の剥ぎ取られた純な音が抽出され、音楽が生成されていく。
美しいサティの音楽がサロンに埋もれることなく、全曲を漏れなく今この耳に聴けると言う奇跡を起こした人、それが高橋悠治とアキだ。
新参者 DVD-BOX
毎回、容疑者と思しき登場人物が登場する。
彼らは何らかの嘘をついていて、それゆえに、阿部寛に怪しまれるのだけど、
結局のところ、彼らの嘘が、良心に基づく嘘である事が分かるという
人情物のドラマです。
毎回、よくできたこのドラマの人情の部分に泣かされていました。
非常によく出来たドラマ。日本のドラマを見て、久しぶりに最後まで見れたドラマです。
オススメですね