「保守革命」宣言―アンチ・リベラルへの選択
安倍晋三の思想の原点を確認しようと思い、共著ながら最初の著書を読んでみた。ついでに栗本と衛藤の文章も読んでみた。まず、安倍晋三の著述部分は「なんだこれ?『美しい国へ』に書いてあることとほとんど同じじゃん!」特に冒頭の「リベラル」批判なんて言い回しまでそっくり、ただ当時結党しつつあった「鳩山新党(現民主党)」の綱領・方針に対する批判がやや詳しいくらい。後半の安全保障についての持論もすでに他の著書で読んだ内容ばかりで新鮮味は無かった。栗本慎一郎は相変わらずのミーハーぶりで、ほとんどジョークで「保守政治家」を演じているようにしか見えない。よく安倍と組めたものだ。衛藤という人は昔テレビでチラッと見かけたのみで、政策などは全く知らなかったが、本書を読む限り3人の著者のうちで最も政策通であるように思われた。ただ小泉改革路線で批判された「旧い自民党」タイプの政治家であるようにも思われた。安倍内閣では閣僚入りしていないようなので、やはり安倍さんとは少し路線が違ったのかな?