Anne of Green Gables
随分前から、この本のことは知っていながら、読まないできました。
今回原書で読み、約100年前の本のため、古い言い回しがあったり、言葉も難しめで、やはり子供向けというよりは大人向けの本だと思います。
この本の第一の特徴は、アンの生き生きとした語りで、本のリズムをつくり、豊かなものにしている点だと思います。それ故、アンの成長に従って、アンがそれ程饒舌ではなくなってゆくところで、感慨深い思いをさせられました。
改めて、私の読書の中でこれほど感動的に物語を楽しんだ作品は、少なかったと思います。アンの語りは、決して独りよがりなものではなく、彼女なりの考えを元に話されています。極端な言い方をすると、マシューたちに引き取られなくても、違った場所で彼女は、自分の生い立ちを糧にした、前向きな姿勢で人生を切り開いたのではないか、と思うほどです。
アンはしばしば、マリラと対立しますが、彼女の語りのほとんどが、マリラに向けられていると気づくとき、この物語で、如何にアンが知らず知らずに、マリラから様々なことを学び、逆にマリラのアンに対する愛情が深まってゆくかを知らされます。
寡黙で、人付き合いがへたなマシューが、初めてアンに会ったときから、物語の最後まで、如何にアンに深い愛情を注ぎ続けていたかも、この物語の大きな魅力です。アンに他の子と同じ洋服を買ってあげたくて街へ出かけるのに、砂糖を山のように買ってきてしまう場面は、滑稽ではありますが、言いようのない切なさを感じずにはいられませんでした。
物語の最後で、成長したアンが(背が伸び、一層知的になったアン)が、マシューとマリラに見せる愛情、そして彼女が選択する人生は、駆けるように読んでいった物語にふさわしい、結末を見せます。
アンの成長に涙し、笑ったこの物語を読んだことを、心から嬉しく思います。
コロムビア サウンド アーカイブス シリーズ 赤毛のアン 想い出音楽館-完全版-
世界名作劇場の「赤毛のアン」を見てファンになられた人にはオススメ出来る商品です。
以前にも廉価版を買いましたが、内容が多いに不満で、
劇中の多くの曲を再現している純粋なサウンドトラックを切望していましたから、待ちに待った発売です。
しかし、実は「完全版」と謳っていながらも実際は不完全な製品です。
それでも私にとっては思い描けるシーンのほぼ全ての音楽が再現されていて満足でしたが、
特に個人的に欠落して残念だった曲が一つだけあります。
「赤毛のアン」オリジナルの曲ではないんですけれど、
放映時のOPテーマが始まる直前の、「世界名作劇場」のタイトルバックに流れる5秒程度の短い曲。
俗に「キャッチアイ」と云われるものです。
それがこちらには入っておらず、何故か1200シリーズの方には入っています。
「きこえるかしら」の冒頭ですので、アマゾンの試聴で宜しければご参考までにどうぞ。
赤毛のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン 1)
小さなころに読んだどの赤毛のアンよりもずっと大きな感動を得られました。完訳で読むからこそ、今まで知らなかったアンに出会えたり、昔から知っている大好きなアンがもっともっと好きになったり、この本を読んでいる間は、ほかの本が目に入らないぐらいにアンの想像の世界に引き込まれてしまいました。そして、読み終わったあとも、アンのように生きたいなという気持ちが、ほんんの小さなことでもすばらしく幸せに感じられる気持ちになっていきました。
続・赤毛のアン~アンの青春~【字幕版】 [VHS]
小説アンシリーズのファンは、それぞれ自分の中で 登場人物のイメージが、
なにより「アンの姿」が出来上がっていると思います。
私も中学の時から何度も読んで、アンもギルバートもすっかり頭の中で
形が出来てたわけです。
だから初めてこの映像になった「赤毛のアン」を見たとき、アンの姿に「・・・」、
ギルバートなんて「違う~っ、ギルじゃない~っ」って
心の中で抗議してました。(注:あくまでも私の中での違いです)
でも、ね
お話に入り込んでいくと、いつも頑張ってるアンは魅力的だし、
ギルバートだって、なかなかイイ感じに見えちゃうんですね。
カナダの四季の映像は美しいし、風の匂いまでわかる気がします。
(行ったこと無いけど)
見終わった後は、友人と涙うるう!るで、
「やっぱり、愛よねー!」と声をそろえたのでした。
赤毛のアン DVD-BOX
私が今回観たのは『赤毛のアン』と『続・赤毛のアン アンの青春』の2作品。しかも劇場公開版の短縮バージョンだがそれでも十分に楽しめる内容。
女優の中井貴恵さんの娘さんが『赤毛のアン』に夢中になり、当時映画館にかかった『赤毛のアン』と『続・赤毛のアン アンの青春』で更に熱が高まり、ついには中井貴恵さんの夫の勤めの関係もあって、家族でプリンス・エドワード島に旅する経緯がエッセイに書かれていたが、娘さんが当時ご覧になったのが本作のミーガン・フォローズ主演『赤毛のアン』である。
当初TVシリーズとして作成されたとのことで、16mmフィルム使用??のせいか、画面はかなり荒いが、観始めると物語の面白さやミーガン・フォローズのアンを始めとしたキャスティングの素晴らしさ、美しいプリンス・エドワード島のロケーションでそんなことは瑣末なこととして忘れて夢中になって見入ってしまう映画である。
日本アニメーションのアニメ版ほどに原作通りではないが、ミーガン・フォローズはアンのイメージどおりの女優さんだし、マリラ、マシュー、ダイアナ、ギルバート、レイチェル・リンド夫人なんかもアニメ版よりこちらの実写版の方が好きなくらいである。
本作のDVD&ブルーレイ版はカットも無いようだが、吹替がないようなので、再販では新たにアフレコを付けてくれると嬉しい。
もともと画質の悪い作品だからその方面の改善は望まないが、『赤毛のアン』シリーズは大人はもとより子供たちに楽しんでもらいたい作品なので、字幕のみだと子供と一緒に鑑賞するという楽しみがスポイルされてしまうようで残念だ。