攻殻機動隊 (2) KCデラックス
評価しづらいなあというのが第一印象です。いくつかに分けて考えたいと思います。
1、前作の延長線上としてアクション全開、テロリズムに対する攻性部隊の物語をこの作品を求めることはできません。戦いがあるといっても電脳上のものが殆どです。よく分からない用語を発しているうちに終了という感じです。
2、CG全開の絵がコレでもかと繰り広げられています。カラーもあるし絵師としての士郎正宗氏を求める人にはいいと思います。露出が多いという皆さんの意見には賛成。別にそっちに行かなくていいのになと思います。
3、ストーリー。内容が自分には難しかったです。前作は構築された士郎正宗氏の世界でのアクションが中心でしたが、今作は、世界を増築しつつ、その上で話を展開していくといった感じを受けました。一応、今回も万物連結観の話だと思うのですが、他にもたくさんの要素が見受けられます。読めば読むほど味が出るとは思いますが、SFなどにそれほど入れ込んでない自分は少し不親切かなとも感じました。
3番を求めていた自分は、とても興味深く読んでいます。前作とは別の印象が強いので、好き嫌いは分かれると思いました。
狂四郎2030 1 (ジャンプコミックスデラックス)
最終巻でのあとがきで語っているけど、
モチーフはロミオとジュリエットだったんですね。
それに徳弘流バイオレンスちんぽこ節で味付けした一品。
ターちゃんの頃と同じようなギャグシーンは確かに散りばめられている。
でも、きれいごとではないヒューマニズムを表現する事によって
両者が全く違った意図で描かれた作品だという事を認識させられる。
剣戟シーンは時代劇ファンでも納得のいく動きを感じる。
スピーディでスタイリッシュ・・・北野版・座等市に通じるものがある。
作者が終始訴えかけているのは、国家、ひいては集団や共同体のエゴや狂気だろうか。
徳弘先生のそういった物に対する強烈な不信感を端々から感じるのです・・・そこが小気味良いと個人的には思うのですが。
道士郎でござる 6 (少年サンデーコミックス)
この巻から特に健助殿の活躍が目に付いて面白い!
西森先生のマンガは全部読んだけど、その中でも「今日から俺は!」に並ぶくらい面白いです。
最近サンデー読んでないのに全巻衝動買いしてしまいました;;
人生劇場 飛車角と吉良常 [DVD]
三島由紀夫が鶴田浩二のベストアクトとした作品が二つある。
一つは「博打打ち・総長賭博」。そして、もう一つが本作である。
内田吐夢監督の演出はさすがで、安心して見ていられる傑作である。
尾崎士郎の「人生劇場」は何度も映画化されているが、一番有名で、よくできているのも本作だろう。
この作品は鶴田浩二の他にも、高倉健、若山富三郎、藤純子、左幸子らの当時のオールスターキャストであり、その点も楽しい。
鶴田も高倉健も、飛車角や宮川はかつて演じたことがあり、演技が安定しているのもよい。
この映画が不思議がられているのは、ラスト近くの殴りこみシーンでかつて内田監督作「宮本武蔵」のようにモノクロになる点と、実験映画のような不思議な終わり方をする点だが、私はそんなに気にはならなかった。
東映任侠路線のはしりとなった名作であり、多くの人に味わって欲しいと思う作品である。
グレイゾーン (CCCD)
ウワサの真相は少しはっちゃけたような感じだったが
今度のアルバムはメッセージ性も含まれているような気がする。
良かったのは「911エブリデイ」「グレイゾーン」など。
この二作はメッセージ性、ライミング、フロウ、トラックと
どれを取っても天下一品。
「911エブリデイ」の「飢えて死んだ子の体重よりもずっと
ズッシリと重たい銃」というリリックには
宇多丸の気持ちが現れているような気がした。
「グレイゾーン」はライミングやメッセージ性もだが
何よりトラックが良かった。流れるようなトラックに
二人の力強いフロウ。自分の視野の狭さを思い知らされた。
RHYMETERに脱帽+最大のリスペクトを送りたいと思う。