フードゥー・ムーンの下で
Dr.ジョンの自伝です。1994年なので54歳時点。小学生でマリファナを覚え、中学生で立派なヘロイン中毒といった不良ぶりはさておき、本人のニューオリンズへの愛あふれる本です。なんとなくDr.ジョンは黒人に生まれたかったのだろうなあと思います。私自身はちょっとオリジナリティを追及しすぎたDr.ジョンの音楽のよきファンではありません。ちょっとわざとらしい気が。しかし、最高のピアノプレイヤーと思うジェームズ・ブッカーやフェスのエピソードがたっぷりこの本では堪能できます。とくにブッカーとバンド組んでた時代の音源が残っていたらなあと切ない気持ちになります。ちなみにブッカー、バイセクシャルだったらしく、ツアー中にバンドのメンバーをレイプ(!)しかけてクビになったあたりは爆笑です。
翻訳もよくこなれていて、厚さはある本ですが一晩一気読みしました。おすすめです。
ブルドクター [DVD]
なかなか面白かったし、教えられることも少ない作品だった。
しかし、ちょっと作品の方向性にブレが見られたところが良くなかった。
最初は、死体で発見された遺体から、原因を突き止め、遺族に最後のメッセージを伝える、キャストの石原さとみが以前、法医学を学ぶ大学生の役で出演していた「ヴォイス」のようなドラマだと思った。
しかし、終盤に急にミステリードラマになった。
序盤からそれを予感させるような描写はあったのだが、いま一つ押しが弱かった気がする。
だが全体的にはこの評価でも、学べるところはあった。
突っ走ることの大切さや、事なかれ主義がいかに良くないことなのかということなどを考えさせられた。
見ていない人にはDVDがでたらレンタルでもいいので一度は見てほしい。
また見た人には、「ヴォイス」「臨場」「遺留品捜査」などを次に見てもらいたい。
きっと今回と同じような築きと新たな学びがあると思う。
魔界都市ブルース 恋獄の章 (マン・サーチャー・シリーズ) (ノン・ノベル)
恋というテーマは人外の美貌を備える魔人にも感傷的なひと時を与える力があるらしい。 今作の秋せつらは珍しく人間くささを纏いながら妖糸を奮う。 ふと、懐かしい感覚に捕われながら一気に読破してしまった。久々に心地よい読感。 《魔界都市》には悲恋も、邪恋も、狂恋も、その全てが似合う街である。どんな悲劇で終わろうと心配は不必要(いらない)。 新宿の化身、美しき魔人、秋せつらが見守っているのだから。
ドリトル先生不思議な旅 [DVD]
小学生の時、ドリトル先生をむさぼり読んでいた。動物と話せる、この一点だけでも憧れていた。
そんなある日、テレビで本作を見た。自分のイメージと少し違っていたが、レックス・ハリソンのドリトルは最高だった。
特殊効果は今の目でみると、ちょっとしょんぼりしてしまうが、それをカヴァーする音楽、演技。よい映画だった。
大人になって、エディー・マーフィーのドリトルを見たが、それはそれで楽しめたが、やはりオリジンの方が面白かった。
いま子どもがドリトルを読んでいる。エディーの方をDVDで先に見せた。その後本作を見せたところ、こちら方が好評だった。ミュージカルは初体験の子どもにも受け入れられた。本を読んでから、映画を見てもらいたと思う。ちなみに、見るときは吹替で見た方が良かった。吹替も秀逸。1960年代の素晴らしい映画の一つであるのは間違いないだろう。