探偵はBARにいる 【Blu-ray1枚+DVD2枚組】「探偵はここにいる! ボーナスパック」
娯楽映画の王道を行く、理屈抜きで楽しい作品だが、私が注目したのは、ボーナスディスクに収録されたメイキングの方だ。
キャストやスタッフの素顔を垣間見ることができ、また撮影現場の熱気が伝わって来てこちらも楽しめるのだが、楽しいだけではない、あの厳しい現実も盛り込まれていたのだ。
前半の札幌ロケの進行に沿って、さりげなく画面に挿入される日付が、最終日に“あの日”を指した。
2011・3・11
しばらくのブランクの後、東京で再開された撮影の現場には悲壮感が漂っていた。日本中が混乱し、悲嘆に暮れている中で、娯楽映画の制作を続けるのは辛いものがあっただろう。
そのような逆境を乗り越えて生まれた作品であることを知ることで、本編をさらに熱い思いで観ることができると思う。
だから、多少高くても是非ボーナスディスク付きの3枚組をおすすめします。
まほろ駅前多田便利軒 プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]
過剰なセリフや説明的な映像を排しつつ、映像からダイナミズムが伝わってくる。カットとカット、セリフとセリフの絶妙な『間』。それぞれの心情を観客に想像させてくれる。会話が絡みそうで絡んでいない空気感。それでいて、何故か、絶妙な関係を見せる二人。
根幹となるテーマは、『過去と真正面に向き合い、そして前へ進むことへの難しさ』ということか。二人の主人公である、多田啓介と行天春彦、それぞれの悲しき過去を背負い、生きていること。けど、その生き様は、何処と無く、魂が抜けたかの様に感じ、不幸な出来事を境に時間が止まっている様に感じる二人。
様々な出来事と、それに絡むセリフ。
『誰かに必要とされるってことは、誰かの希望になるってことでしょ』
『おまえの親が、おまえの望む形で愛してくれることはないと思う。だけど、自 分には与えられなかったものを、新しく誰かに与えることはできるんだ』
『フランダースの犬の有名な最終回の内容は幸福なのか?不幸なのか?』
ラスト近く、多田と行天は互いに悲しい過去と向き合うことになります。過去と決別して、前へ進んだのか?進んでいないのか? 結局、数ミリしか進んでいないのかも。でもいいのだ、1ミリでも、過去と決別し、前へ進んでいるのだから。
本作は、瑛太と松田龍平主演とは言え地味な印象が強く、意識的スピード感に欠ける演出をしていて、たるく、ゆるいムードが映画全体を覆います。オトナの感性の映画であり、少々玄人タッチの映画で、そんなに、ヒットはしないかもしれない。実際、月曜日のレイトショー前の回で観たのですが、私たち夫婦ふたりきりの貸切上映でした。嬉しいやら悲しいやら。(苦笑)
しかし、オトナというものは、彼らほどではないにせよ誰も、悲しい過去を背負って生きているもの。その過去と向き合うか、或いは避けて生きているもの...。多くの(特に30・40代の)大人に観て欲しい。
映画「探偵はBARにいる」オリジナルサウンドトラック
滅茶苦茶良かった!
作品全体がテンポよく、あっというまにラストでした。
大泉さんと松田さんの絡み、大泉さんの泥臭さと小雪さんの上品な美しさ
高嶋さんの演技にもギョッとしました。
原作を読んでいましたので、大泉さんが正直こんなに探偵をうまく演技出来るとは思って
いませんでした(ごめんなさい)大泉さんは、天才?努力家?とにかく良かったです。
この凄さを、うまく文章に出来なくて残念です。
DVDにはやくなってほしいです、映画の余韻に浸りたくサントラ購入しました。
音楽も飽きる事なく、浸れるCDで満足!