ロンドン・コーリング ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー コレクターズBOX (初回限定生産) [DVD]
長い長い映画でした。でも、ジョーについて語り尽きることはないでしょう。クラッシュを壊した挫折感と新しい自分探しの日々、忍耐と苦悩。一緒に「ウエストウェイ トゥー ザ ワールド」を見ました。10代の頃クラッシュと共に過ごしたのに、その後を知りませんでした。解散劇からメンバーが過去のこととして語れるまで長い月日が必要でした。でも、ジョーの混乱は続く。私はジョーの、クラッシュの真摯・誠実さを信じます。今更のことなのに、見て良かったと思います。長いこと私の心にすみ続けていたジョー、胸に引っかかっていたったものが取れました。クラッシュと共に過ごせた日々を誇らしく思えます。
クラッシュは断然後追いで聞いたのだが、10代の頃に買った「ロンドン・コーリング」は今に至るまで愛聴盤になっている。で、先日レンタル店で半額券をもらった折にこのDVDを見つけ、借りて観たところ、もう、たまらない気持ちになった。涙があとからあとから流れてきた。
クラッシュのビートと言葉たちは、衒いもなく真正面から聴き手を揺らす。そんな真っ正直さは、当時においてもさまざまな足払いや足引っ張りを食らったことがわかるし、ジョー・ストラマー個人は小さな頃からトラブルを引き寄せては、トラブルの中をのたうって生き続けたことを教えてくれる。彼の示すメッセージを青臭いと笑い、理想だと嘲り、内容が粗雑だと得意げに指摘しようと思えば、簡単なことかもしれない。でも、自分が痛めつけられるとわかっていても矢面に立ち、傷つくことを選ぶ姿勢は、彼を非難し、嘲笑する人々の何倍もの誠実さ、真剣さ、人としての尊さを感じさせてくれる。それははじめてクラッシュのLPレコードを聴いたときから感じていたが、このフィルムでは多くの人々の言葉や表情で証し立てられている。「お前みたいな知ったかぶりに何ができる、何もできないだろうと誰もが言っていたよ、でも、俺たちのやったことで少しは世の中が動いたじゃないか」というような本人の述懐を聴いていると、言っていることはその通りだし、何よりも、ジョー・ストラマーが生きていた姿、ウディ・ガスリーのヴィジョンを胸に秘め、終わらないトラブルの中でロックしてぼろぼろになり、静溢さに辿り着いて天に昇っていった軌跡を思い出していると、人間をまだ信じられる、信じたい気になる。
クラッシュを聴いて胸が熱くならない男子は信用できないという偏見が自分には消えないが、このDVDはクラッシュのファン、あるいはファンだった人、またはロックを好きな人全てに捧げられたフィルムだと思う。最後に残されたメッセージ、The future is unwritten…未来はまだ書かれていない…は、物語を先取りしがちな今の自分たちに鋭く突き刺さってくる。
リデンプション・ソング ジョー・ストラマーの生涯
R.I.Punk, Joe
あんたは、矛盾の塊だ。
でも、矛盾を抱えているのは、それは世間の大方の奴等と一緒だ。世間の奴等と違って、あんたはそれを誤魔化さなかった。誤魔化す方法を知らなかったのかもしれない。でも、だから愛されたんだよ、きっと。
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やっと読み終わった660ページ。
本の帯に「ジョー・ストラマー」全闘争史。
ジョーの友達だった著者が描きたかったのは、多分、クラッシュ以降のジョーみたいだ。ジョー自身は「荒野の時代」と呼んでいたらしい。8年間走り続けた後、亡きクラッシュを背負った14年間。世界と自己の黄昏に長い影を落とす14年。これがジョーにとっての「闘争」だった気がする。自己との闘争。
自分が人に与えてきたものが自分に返ってくる。支えられながら、ぼろぼろになりつつ、自分に勝利するジョー。
が、メスカレロス名義で最後のアルバムStreetcoreを残してジョーは旅立つ。悔しい。Streetcoreは俺の好きなアルバム。だが、次のアルバムが出てたら、さらにもっと良いものだったんじゃないかと思えてくる。この本を読む限りにおいては。
そして、ジョーは、天国に旅立っても、いまだジョーらしい。最後の散骨の時の話。まちがいなくジョーの悪戯だ。間違いない。保証する。
VIVA JOE STRUMMER プレミアム・エディション [DVD]
言わずと知れたクラッシュのフロントマン、
ジョーストラマーの軌跡を関係者が語るドキュメンタリー。ミックジョーンズ、トッパーヒードン、グレンマットロック(ピストルズ)他が出演。
映像は断片的なものが多いが、結構貴重。
ジミーパーシーが飛び入りして歌う「ホワイト・ライオット」や、ジョニーサンダースばりにTVイエローのレスポールJRを弾くミックジョーンズの姿など。死の直前、メスカレロスのライブへのミックジョーンズの飛び入り映像も。
ポールシムノンのコメントが無かったのがちょっと残念だけど・・・。