自然災害ボランティア・ハンドブックー被災地に負荷をかけない活動の手引きー
被災地へのボランティア活動に興味のある方、実際にボランティアに行く予定のある方、事前にぜひこの本を読んでください。著者と北海道教育大学の学生たちによる岩手県九戸郡野田村での活動の実際が詳細にかつ見やすくまとめられています。本書後半には、この活動から学び得た心得や具体的な装備、安全対策などが。被災地に行くボランティアにとって大変役立つ情報となっていると思います。学生たちが、現場で綴ったノートからは、被災地に入る支援者の心の動きが読みとれて、ここだけ読んだだけでこみ上げてくるものがあります。私自身は、いま0歳児を育児しているので、被災地に行く事は難しいですが、被災地で何が起こり、どんなボランティア活動が行われているのかを知ることは大切だと思いました。ニュースで流れる偏った情報よりも、はるかに“リアルな被災地”がここにあります。
ことりっぷ 札幌・小樽 旭山動物園 (ことりっぷ国内版)
旭山動物園と札幌と小樽に行くので、
まさにうってつけ!と思い購入しました。
一般的なガイドブックは一緒に行く友人がチェックしてくれているので、
私はちょっと趣向を変えて、こっちにしてみました。
大きさもコンパクトで、ショルダーバッグに入れやすいし、
中身もガイドブックにありがちな「色々詰め込みすぎてゴチャゴチャ」ではなく、
読みやすくまとまっていました。
好みは分かれるかもしれませんが、
女同士でののんびり旅行にはいいのではないかと思います。
これでいいのか北海道札幌市 (日本の特別地域特別編集)
「晴耕雨読」の身も数年になるが、先日、ウィークディに郊外の大型書店を尋ねて、改めて平日なのに若い人の多いのにちょっと心配になった。「彼らは果たして働いているのだろうか?」
というのも、最近発刊された本で「これでいいのか北海道札幌市」と題したマガジンで、「すでに滅んでいるパラダイス札幌」という副題まで付いている。つい購入してじっくり読んでいると、頷ける部分がかなりあった。
「無職でもしょうがない、生活保護があるさ」、「大変な市の財政事情、ただし市民は上の空」、「うすーい学業意識、《大志》とは無縁の子供たち」、「経済はどん底なのにそんなに能天気で大丈夫?」と批判的な内容が並ぶ。
種々の文献やデータの分析に基づいており、まんざらいい加減な主張ばかりではない。
雇用・有効求人倍率の低さ、失業者・ニートの多さ、未婚率・離婚率の高さ、「いつまで経っても道路工事が終わらない」公共事業と中央依存度の高さ、貯蓄率の低さ、年金・国保不払い率の高さ、税金滞納率の高さ、企業倒産率の高さ、全国学力テストランキング最下位、などなどあげつらうと切りがない。
いつも札幌は全国的に「いつかは住んでみたい街」のトップに位置しているが、多分願望だけだろう。
「道民はおおらかでよそ者にやさしい」とあるが、単にものぐさで、他人に深く関わろうとしない気質の現われなのである。
昔、北海道に単身赴任するサラリーマンは「島流しで一度泣き、離れがたくてもう一度泣く」という暢気な「二度泣き」説があったが、「おおらかでよそ者にやさしい」という道産子気質は、気がつかないのか、気にしないのか結局、中央依存の「寄らば大樹」の気質に重層したままになっている。
札幌市民は、自分の身近にいる人間や身の回り以外のことに無関心が過ぎる。
つい先日、札幌市白石区のマンションで、障害者年金だけで暮らす40歳過ぎの姉妹が、電気もガスも止められて凍死したという、まことに痛ましい事件が飛び込んで来た。
区役所の生活保護担当に、3度出向いても生活保護は認定されなかったようだ。こんな都会砂漠のような事故が、唖然と起こっても、札幌市民は他人の出来事で、いっとき「可愛そう。」で終わってしまい、何が問題なのか深く考えることもない。ほんとうに他人事でいいのだろうか。
形骸化した建前だけの行政と、親身な心からのケアの感じられないセーフティネットは、こんな煉獄を生んでいる。地域には「あそこに連絡さえすれば何とかなる」というような、ほんとうの駆け込み寺は無いのだ。
行政には、各区単位に福祉相談員制度があるにはあるが、うまく機能していない。更に各町内会には民生委員という福祉ボランティアもいるが、それぞれが情報不足に陥っている。
これからは官の組織でなく、金銭の支援を受けたNPO組織「いのちの輪(リング・オブ・ライフ)」を、民間の活力で作るべきだ。
総じて、道民は政治や経済に殆ど関心がなく、誰かがどうにかするだろうと思っている。
北海道開発予算は平成9年の10,059億円をピークに毎年減り続け、平成23年度は半分以下の4,460億円まで落ち込んでいる。経済成長率は既にマイナス成長に落ち込み、鉱工業生産高は伸びず、北海道のGDPも18兆円をピークに下降に向かっている。(ちなみに九州は47兆円である。)
失業率は5.5%に限りなく近づき、有効求人倍率も0.4倍から動かない。ウィークディの大型書店に若者が多いのも頷ける。
原発事故の話になるが、北電のやらせはあんなもので幕引きを謀ったのか。高橋はるみ知事も減給1カ月でジ・エンドなのか。何とも道産子の「忘却とは、忘れ去ることなり。」の性癖よろしく、何の尾を引くこともないのか。
原発事故報道や泊原発を廃炉にする活動も何か沈静化してしまったような錯覚と印象に捕らわれるのは筆者だけか。福島県の佐藤知事の「首相の収束発言は遺憾だ」も、もっと強い論調で述べて欲しかった。
ネガティブのオンパレードだったが、最後に私案を披露したい。
世界No1企業アップル社のスティーブ・ジョブズが、アップル社を一度追われた後、ピクサーという会社を買収し、「トイストーリー」アニメで会社を大きくしたが、札幌も地価の安さだけを生かしたコールセンターやデータセンターばかりでなく、「札幌っ子」の性格にフィットしたエンターティンメント型ディジタル・コンテンツの一大集積地を郊外で展開すべきと考えている。官の臭いのサッポロバレーやテクノパークなんかでなく、100%民間活力でやれたら面白い。
札幌学 (新潮文庫)
札幌と福岡は、転勤族にとって「憧れの地」だそうだ。
どちらも有名な歓楽街があって都市的な楽しみには不自由しないし、食い物がうまい上に生活費が安い。しかも都会の本社(東京)から適当に遠くて羽が伸ばせる!
本書では札幌の魅力が縦横に語られているが、評者が個人的に面白かったのは「札幌人はどこでもジンギスカンをする」という一節だった。評者は札幌の姉妹都市である米国オレゴン州ポートランド市に暮らしたことがあるのだが、あちらの人々も夏になると公園で川で山で、もちろん家の庭で、やたらにバーベキューをしていた。札幌人のライフスタイルというのは、どうもアメリカ人と似ているらしい。そう言えばタテヨコ直角に街路が交差しているまちの構造だってアメリカっぽい。何より家が広いし。
もう一つ。知り合いの札幌人に、異様にゴキブリを怖がる人がいた。わけを聞いてみると、東京に来て始めて「ゴキブリに飛びかかられる」体験をし、それがトラウマになったのだそうだ。札幌では、夏でもゴキブリが飛ぶ温度にはならないらしい。日本は広い、と思った。