夏至 特別版 [DVD]
料理にスローフードがあるように、映画にもそのようなジャンルがあるとしたら、
この映画はまさしく、スローなムービーだと思う。艶を含んだパステルカラーの
シルクのアオザイの肌触りや、初めて口にしたフォーや生春巻きの食感といった
味わいの映画である。
三姉妹が母の命日に料理を作る「起」から、母は最期に父以外の名を呼んだという
「承」に移り、不倫・浮気・妊娠といった話題に「転」じていくのだが、そこから
穏やかに「結」ぶあたりが、トラン・アン・ユン監督のアイデンティティである。
村上春樹「ノルウェイの森」の映画が、広報発表では来月からクランクインされる。
このトラン・アン・ユンが監督で、日本人が演じるという。 大いに期待したい。
もうすぐ夏至だ
学者であり歌人である著者…私もあまりにも違う分野で活躍しておられることに違和感を抱きましたが、どちらも「探究」するという共通点で結ばれているのだと感じました。
亡くなった歌人でもある奥様との残された日々の歌は、淡々としているようで、気持ちを深く静かに沈められるように胸にせまりました。
…とレビューを書きつつ、著者も本書で書いておられる
「…単に美しいと言えば、誰にでも言えるだろうが、しかし、自分はどのように美しいと感じたのかを言うことは、思うほどには簡単ではない。」
という言葉が改めて刺さります。
短歌は今まであまり感心のなかった分野ですが、いろんな歌を知りたいと思いました。
後半は学者である立場からのエッセイが多く「知らなかったことを知り、それを知ろうとする喜び」の楽しさを伝えてくれています。
冬の薔薇 (創元推理文庫)
50年以上も前に息子が父親を殺して、その後失踪したため荒れ果てていた屋敷に殺された男の孫だと名乗る青年がやって来て、
屋敷を修復しようとする。 その屋敷の近くの農場の次女ロイズは森が大好きな野生児。 彼女は青年コルベットとリン家の呪いの秘密に
とりつかれたようになった。
夏から秋、そして厳しい冬へとマキリップは美しい幻想の世界を紡ぎあげる。
スコットランドのタム リン伝説を題材にしているということで同じ伝説を題材にしているダイアナ ウィン ジョーンズの
九年目の魔法が解説で挙げられているが、たまたま私はそれを最近読んだのだが、かなり違った取り上げ方だと思うので、あまり気にしない
方がいいと思う。
マキリップは伝説の主人公の役割をいくつもに割っているみたいで、ロイズとコルベットだけでなく、ロイズの姉のローレルや亡くなった母親、
コルベットの父、タール、祖父、ニールも重要な役割と担っている。 ロイズの父やローレルの婚約者ぺリン、村の人々の優しさも捨てがたい。
話はどう展開してどう結論が出るのかなかなか見通せなくて、緊張感があっておもしろかった。
フィンランド民謡の花束
カンドミノ合唱団は個人的に私の知りうる中で一番好きな合唱団です。という勝手な理由でこのCDを大絶賛しますw。以前、この合唱団のCDを何枚か所持しており、それを母校の混声合唱団に寄贈しました。ところが、最近また合唱をやることになり、久々に聞きたいと思いネットのCDショップなどで探してみたら・・・、なんと現在フィンランディアのレーベル自体が無くなってしまっており、カンドミノのほとんどのCDが入手困難な状況にあるとのことです。(大ショック!)この「フィンランド民謡の花束」はまだ入手可能なようですが、手に入るうちに買っておくべきでしょう。発声もアンサンブルも選曲も、非常に素直で親しみやすく、明るく、合唱に興味が無い人でもこの合唱団は好きになっていただけるのではないでしょうか。ぜひ鑑賞してみてください!