伝説の灘校教師が教える 一生役立つ 学ぶ力
これ以上の教育本が果たして考えられるであろうか。3時間ほどで一気に読み切ってしまった。灘、という日本で最優秀の学校を舞台にした教育本というだけではない。やんちゃな生徒をげんこつしたお話なども書かれている。100歳の長老の文章には、味わいのある言葉がつまりまくっています!!!
体制維新――大阪都 (文春新書)
大阪都構想の説明はわかりやすい。
大阪は「自分の地域のことだけを考える自治型都市」ではなく、「他の地域、地方の面倒を見る、日本を引っ張る大型エンジンでなければなりません」(p.200)という認識にも賛成。
鮮やかな論理は魅力的だ。
だが、引っかかる部分がある。
「僕は、大阪都構想と教育基本条例、職員基本条例はワンセットの戦略だと考えています」(p.54)というが、なぜ「三本立て」でなく「ワンセット」なのか。
システムが自動車、職員がドライバーだから不可分、といった説明をしているが、十分とは思えない。職員の規律の問題はシステムをいじらなくても改善すべきことであり、本来、別の課題だろう。
「三本立て」と言うより「ワンセット」としたほうが、都構想だけでなく他の2つも選挙民のコンセンサスを得ている、と主張しやすい、ということではないのか。
一つの施策を押し出して一点突破した後、他の施策を含めて全面展開する、という方法は必ずしも非難されるべきものではないが、その施策間の関連づけに牽強付会的なものが混じっているなら、その政治手法は危険をはらんでいる。
冷静に見ていきたい政治家だと思う。