魔法使いディノン〈1〉失われた体 (ハヤカワ文庫GB)
国産TRPG『ローズ・トゥ・ロード』のゲーム・デザイナーとして知られる、門倉直人氏によるゲームブック第1弾。
独特の世界観を持つファンタジー世界ユルセルームに召喚された主人公が、魔力を駆使して奪われた自分の体を取り戻すまでを描く物語です。
秀逸なのが魔法のシステムで、単純に体力ポイントやマジックポイントを消費すれば望むとおりの効力が現れるわけではなく、主人公の目に視える複数のマジックイメージ(図形や色)の組み合わせを分析し、適切な選択を行わなければなりません。
そこがこのゲームブックの難しいところであり、面白いところでもあります。
また、パラグラフの随所に記されているミスティックマークは、単にゲームの進み具合をチェックするためのものではなく、自分のとった行動により主人公がいかに魔力に支配されてしまっているか、どのような精神状態にあるかなどを示しています。
いわば精神分析のようなものであり、これによって主人公の人格が形成され、続く2巻『闇と炎の狩人』での物語の進行に影響を与えていくことになります。
つまり、主人公の行動しだいで結末は絶望的な方向に進んでしまうこともあるわけで、このミスティックマークによる「プレイヤーには見えにくい因果関係」が本作に深みを与えているといえそうです。
本作は、もちろんゲームとして良く出来ているのですが、ブックの部分、つまり小説としての展開にも優れています。
どこかダークで叙情的な雰囲気。好みは分かれると思いますが、好きな人にはたまらない魅力があることでしょう。
また、作品の雰囲気作りに佐藤道明氏の美しいイラストが一役買っています。
作中に配された謎解きに関して、いくぶん著者の独り善がり的な印象は拭えないのですが、それでもゲームブック史上における至高の傑作と断言できます。読むべし!
【定番商品】 オークランド デッキブラシ
ブラシヘッドが小さめだし、柄も短めなので力が入れにくく、
広い場所で頻繁に使うのには不向きだと思う。
時々ちょこっと使うのであれば、安価だし十分用は足りる。
ブラシはかため。
言う者は知らず、知る者は言わず(早川義夫ライブ)
愛するものへのいとおしさと憎悪。慈悲と欲。もどかしくて言葉に表せない感情が、早川義夫独特の声とメロディーによって聞くものに映像をもたらす。それは、花であったり、月であったり、そして空であったりもする。時とともに封印した過去の切ない想いが溢れ出し、ただただ、呆然としてしまった。一番のお気に入りは「犬のように」。
九櫻(クサクラ) 刀掛台 二本掛(黒呂) E501
以前から模造刀を持っていたのですが、刀掛台は無かったので購入しました。
この台は組み立て式ですが、簡単ですぐに組み立てられました。
説明書ありましたが、無くても出来ました(笑)
刀を本棚の上に置いているのですが、ちょうどよい大きさで
場所を取らずにいい感じです!
この商品買ってよかったです。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
映画「ブレードランナー」の原作であると供に、
小説のタイトルが「○○は××の夢を見るか?」と言う形で、
多くのパロディーを生み出したことで知られるSFの古典的名作。
始めて出版されたのは1968年のことらしい。
この本のテーマは、他のレビュアーも書いている通り
「人間とは?」「生命とは?」と言ったもの。
そのテーマは、それはそれで深いものがあるのだろう。
個人的にはタイトルにも現れている文章表現のセンスの良さ(訳も素晴らしい!)や、
「動物を飼うことが美徳」などの架空の社会的状況設定の面白さに
大いに興味を引かれた。
この本の登場人物たちは、我々から見たら奇異に思えることに価値観を見出し、
遥かに進んだ文明の中で羨ましいとはとても思えない生活を送っている。
それはいかにも滑稽だ。
しかしながら、実は私達自身の現在の価値観や生活も、
実のところ、おかしな価値観に支配された滑稽なものかもしれない。
そんなことを感じさせてくれるのだ。
加えて文章表現のセンスは素晴らしく、立派な純文学と言える。
SFに少しでも興味ある人なら外すことは出来ない本であるとともに、
純文学ファンにも読んでいただきたい本である。