映画「旅の贈りもの 0:00発」 [DVD]
田舎の素朴な人々、特に渋い役者の大滝秀治さんと、飾り気のない樫山文枝さんがみごとに情景にぴったし、一方、都会から来た悩みを抱える女性である櫻井淳子さん、多岐川華子さんたちはとても対照的で、今の世の中が二分されているのを強く感じました。徳永英明さんも気さくな役柄で身近に感じます。アップテンポな展開のあるストーリーではなく、スパイスが足りないかもしれませんが、とにかく都会育ちの私には田舎ってこんなにゆっくりと時間が流れて心温まる世界なんだとわかりました。本当に大阪0:00分発行き先不明の列車があれば、私もぜひ乗ってみたくなりました。
DVD恐怖劇場アンバランスVol.5
第9話「死体置場の殺人者」は、ハンサムな大学助教授と教え子の愛人が、誤って轢き殺した男の死体に復讐される恐怖劇。制作順では3番目に当たるために、この番組が本来意図していたホラーの要素が色濃く出ていて相当に怖い作品です。途中、殺された男が妻と娘の待つ我が家に最後の別れをしに帰ってくる場面は悲しくも恐ろしく、自分を殺した2人に復讐を果たさずには死んでも死にきれない気持ちが観る者にもよく納得できます。さて、この死体の男を演じた向精七が一場面だけ出演しているのが第10話の「サラリーマンの勲章」で、初めて見た時はどうして円谷プロがこんなSFとも怪奇とも全く縁のない大人のドラマを作ったのか理解に苦しみましたが、繰り返し見ているうちに、望まない昇進をさせられたために人生のレールを踏み外していく男の気持ちや行動がじんわり心に染み入ってきて、大好きな作品になりました。家庭も会社も捨てて2度と元の生活には戻らない決断をした主人公の犬飼一郎に、私は『ウルトラQ』の「あけてくれ!」の沢村の姿を重ねてしまいました。二瓶正也、鶴賀二郎、南廣といった円谷作品でおなじみの俳優たちが全員サラリーマン役で登場するのも楽しく、上原正三(脚本)、満田かずほ(監督)、梅津栄(主演)の3人がシリーズ最終制作話に向けて最高の力を発揮して作り上げた、『アンバランス』屈指の名作だと断言します。
※追記:1993年にKSSから発売されたLDボックスでは、何故か第9話「死体置場の殺人者」のみ、番組前後の青島幸男の作品案内が欠落していましたが、このDVDにはちゃんと収録されているのでファンの方はご安心を。実は、最も青島らしい喋り方が聞けるのがこの回なので、これを見逃すと(聞き逃すと)やはりもったいない気がします。
老人と子供のポルカ
昭和の老怪優・左卜全のあまりに有名すぎるヒット曲のカバーとあって、安易な企画だな~、とタカをくくっておりましたが、聞いてみると、平成の老怪優・梅津栄が、完全に自分のモノにして歌い上げているのには驚愕しました。
最近はバラエティで存在感を示している梅津栄ですが、ちゃんと俳優としての活躍も評価したいものです。シルバーパワー、恐るべし!
あふれる熱い涙 [DVD]
数少ない本物の映画です。
10数年前に見てどうしても、もう一度観たかった。
生きるという事、
愛するという事、
起因に立つという事
人生のエキスが詰まった映画です。
鈴木正幸さんが好演をしています。