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ウィーン ペスト年代記
中世ヨーロッパではペスト=黒死病は現代におけるエイズや癌以上の恐怖の悪魔的やまいだった訳ですが、都市も国も民衆も医者も科学も、どれもこれも誰も彼もが当時、到底この病気の核心には到達し得ていなかったようですね。――――自然科学の発達と衛生概念の形成、そして豊かさに伴う栄養状況の改善、さらに医学の進歩とペスト菌の発見によってその猛威は消え去ったのだけれど中世から近世における大都市ウィーンでの各関係者のふるまいは現代にも反省を促すものが多々あるようです。――――指導者がいかに動いたのか。民衆がどのように反応したのか。役人がどのようにふるまったのか。医者はどのように治療を行ったのか。患者や死者はどのように扱われたのか。そのとき宗教はどのような役割を果たしたのか。ほんとうに興味が尽きません――――当時の銅版画や木版画、絵画など貴重な資料画像も想像を超えたヘンテコものだったし、とてもおもしろい読み物でした。おかげでほかに3冊、欧州のペスト史本を刹那的に買ってしまいました。
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ペスト大流行―ヨーロッパ中世の崩壊 (岩波新書 黄版 225)
過去を知り、現在を知れば、これから何をすべきかが分かる。
ペストの大流行の時に、何があったか、何が問題だったか。
いろいろな文献から得ることで、活路が見出せるかもしれない。
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感染地図―歴史を変えた未知の病原体
メインテーマとは違うかもしれないが、19世紀のロンドンの不潔さの描写がすばらしいと思った。下水装置のない状態で人々が都市に集まったらどうなるか? 将来の日本でも、エネルギー不足、労働力不足などで現在の下水システムを維持できなくなったときどうなるか、ぞっとする。この本以来、毎日の大小便のたびに今の世の中のありがたさを思う。