俺たちのフォーク! presents 関西ふぉーく&ぶるうす特選
1枚目が関西フォーク、2枚目にフォークとブルースが収められています。
初期の和製フォークを眺めますと、関西発信のフォーク・ソングが新しい音楽文化を作りました。ザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」には日本中の人がビックリしました。「オラ~は死んじまっただ~」という人をくったような歌詞とメロディでしたが、その特異性は過去に例がなく、見事に大ヒットしました。
高石友也の「受験生ブルース」は「国民歌謡」的なもてはやされ方をしたものです。
五つの赤い風船の「遠い世界に」は当時の若者の誰もが愛唱した曲で、集会でよく歌ったものです。音楽が時代の空気を作り、時代の象徴として歌が存在していました。
岡林信康の「友よ」のシンプルでストレートな歌唱を聴くたびにあの頃の若者の持つエネルギーがこの曲に集約されていると感じます。70年安保に端を発した学生運動の連帯感を支えた歌だったといえましょう。
赤い鳥の名曲「竹田の子守唄」も長らく放送禁止歌として扱われてきました。自主規制という言われ無き理由によって。
中川五郎「主婦のブルース」、赤い鳥「お父帰れや」、加川良「教訓1」、ザ・ディラン'U「プカプカ」、ウッディ・ウー「今はもうだれも」、ジローズ「戦争を知らない子供たち」、うめまつり「北山杉」等の懐かしいフォークと、憂歌団、上田正樹、BOROの歌うブルース、どれも最高でした。
解説は付いていませんが、歌詞カードにはコードとカポの位置が記されています。
71全日本フォークジャンボリーライブ第一集<中津川椛ノ湖 人間開放72時間>
ビクター版→ベルウッド版→URC版と
マニアックな選曲か。枚数や曲数が
違うので一概にはいえませんが。
どれもいいです。
70年を境に反体制の熱気はしぼみます。
フォークは前衛としての役目を終えます。反体制の
シンボルとしての「長髪」がファッションとして市
民権を得て急速に広まっていくのも71年からです。
フォークはマイナーなマーケットでの絶頂期から、
メイジャーな市場で黄金期を迎えるわけですけど、、
会社は株主のものではない (Yosensha Paperbacks)
ホリエモン、村上ファンドなど、昔で言えば「乗っ取り屋」と言われかねない行為が、株主資本主義という名目で「錦の御旗」を得たような昨今であるが、そうした考え方に疑問を持つ方にお勧めの一冊である。
著者は様々なバックグランドを持った8人の著名人。各々主張は異なるが、「会社は株主のもの」と単純化することに異論を展開している。
そもそも会社は「誰のものでもない」という論旨には説得力があり、グローバルスタンダードという言葉に誤魔化されるなとする、8人の意見は各々興味深い。
但し、残念ながら、上場企業の経営者は仮にこの様な意見を持っていたとしても、少なくとも公の場ではこうした発言は出来ないであろうと思われるので、言いたくとも言いにくいことを、言える立場の方々が語った「本音」の部分と理解すれば面白いと思う。
ちょっと昔の道具たち (らんぷの本)
ちゃぶ台、わん、皿・鉢、重箱、竈、囲炉裏、水屋・茶箪笥、鰹節削り、蒸篭、おろし具、炬燵、湯たんぽ、'燭、行燈、ランプ、箪笥・長持、蚊帳、など、確かにちょっと前までどこの家でもあった道具が今や懐かしい思い出の中にしか存在しなくなりました。もっとも戦災で焼けていないお家や田舎にはまだまだ顕在なのかもしれません。
そんな道具の数々を見事なイラストと解説で紹介している本で、当時を知らない人も実感できるようになっています。この頃の生活って今からみればとても懐かしい匂いが漂ってきます。
中林 啓治氏によるイラストが雰囲気をだしています。本文の解説は、岩井 宏實氏で、帝塚山大学長、大分県立歴史博物館長を歴任された方です。
本書には、そんなちょっと昔の時代に営まれた庶民の生活に関するモノの数々が掲載してありました。84ページの達磨ストーブも懐かしい道具の一つです。木造校舎と冬の達磨ストーブと石炭の匂い、小学校時代の思い出と直結しました。
本書の全般を読みとおし、眺めて感じたことは、いわば、昭和の時代というものを再現しているようでした。綴じ込みの広島市内の商家の台所は明治時代の情景を復元したものでしたが、昭和の時代を通して見られたものだと書かれています。
時は流れて平成の時代へと移り変わり、庶民の生活も格段に良くなりました。「なつかしい」という思いと同時に足元を見つめなおす機会を得たようです。
高田渡アンソロジー (初回限定生産)
世の評価がどうであれ、若い人たちに知られていなくとも、レコード売上が伸び悩んだとしても、そんなことに無関係で「高田渡」は輝くのです。北の大地で急逝した詩人の未発表音源がCD化されるのあれば、やはりこれは貴重盤であります。既発CDが再評価され、ルーツとしての高田渡が広く多くの人に知られる機会となる編集となることでしょう。新しい高田渡に出会えるというだけで、やはり文句なく五つ星です。