二式大艇空戦記―海軍八〇一空搭乗員の死闘 (光人社NF文庫)
昭和20年3月21日に神風特別攻撃隊菊水部隊梓隊として任務を遂行し、
奇跡の生還を遂げた人物の物語である。特攻として有名な零戦の話は多いが、
梓隊の主力である攻撃機“銀河”のために天偵、誘導するために錦飛行艇が選ばれ、
携わった人たちの真の物語である。
特攻を支える側、送る側の内面を見ることができ、日本を守ってきた人達の
生き様に触れる一冊であると思う。
バッハ:カンタータ全集
アーノンクールとレオンハルトによるバッハ・教会カンタータ全集の全曲セットが、お安くなって再発売されました。
この全集は古楽器と少年・男声合唱を使用し、バッハ時代の響きの再現を目指したもので、1970年から1988年に渡って録音され、完成したものです。
確かに器楽演奏は現在のレベルより劣り(特に管楽器)、少年のソロや合唱にも不安定な所があります。演奏のウマさ、美しさだけを見れば、現在のガーディナーやヘレヴェッヘ、鈴木雅明らに軍配が上がるでしょう。しかしこのアーノンクール&レオンハルトの全集は、荒削り・不安定な中にもスタッフたちの演奏にかける、並々ならぬ熱い気持ちが伝わってきます。
古楽器によるバッハ・教会カンタータ全集で、現在全曲録音済みで国内盤(歌詞対訳つき)で手に入る唯一のものが、このアーノンクール&レオンハルトの全集なのです。
買って絶対に後悔しません。私も当初は演奏レベルが気になって(初期の分売のCDを何巻か持っていました)全巻買うのをためらっていましたが、どうしても教会カンタータを全曲完聴したくなり、思い切って全巻購入しました。
今ではすっかり気に入り、毎朝一曲ずつ聴くのを日課にしています。演奏レベルなど、ほんのチッポケな問題です。この全集は我が家の「家宝」となりました。
あなたもぜひ、「家宝」をGETしてください。
時空探偵ゲンシクン―進め!ジクモン探偵団 (コミックボンボン)
かつてコミックボンボンで短期連載された作品である。
「時空モンスター」と呼ばれる不思議な力を持ったモンスターたちが、
ふとした弾みで様々な時代に飛ばされて散り散りになり、元々の歴史に干渉してしまう。
そして時空モンスターらがそれぞれの時代で巻き起こす事件を、
現代に生きる主人公:ゲンシクンとその仲間たちが解決する、というのがあらすじ。
ゲンシクン自身も元々は過去の時代の人間で、紆余曲折を経て現代に蘇り、
時空探偵として様々な時代に赴き、仲間である兄妹や味方の時空モンスターとともに、
相手の時空モンスターと対峙するのである。
メディアミックスがなされたようだが、残念ながらあまり流行らなかった。
この作品を読むと、私は「越えられない境界線」というものを意識させられる。
本来別の時代に生きて出会うことのない存在同士が出会い、ココロ通わし合い、別れる。
たまたま交わった軌跡は二度と交わることはない。それでも時を越えて結ばれたココロとココロの絆は無くならない。
この辺の遣り取りには、日頃薄情な私もしばしば瞳が潤むのを感じることがあった。
イチオシのエピソードは、ゲンシクン一行がアンデルセンと出会う話。
マッチ売りの少女はなぜ物語の中で貧困に殉じなくてはならなかったのか。アンデルセンの答えが胸に沁む。
ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊
何より感動したのがBGMです。前回のアレンジ曲もあれば新曲もあり、思わずヘッドホンをつけてプレイしたくなってしまうほどです。
ストーリーもうまく練られていて、笑いあり、泣き所ありの逸品です。
是非ともサウンドトラックも出して欲しいところですね。