バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 Blu-ray
ドイツ映画でありながら作品の舞台はアメリカ。西海岸モハーベ砂漠のハイ・ウェイ沿いにある薄汚れたカフェバグダッド・カフェ ブレンダは、役立たずの夫や、ここ住み着いた変わり者たちに囲まれてもんもんとした毎日を送っていた。そこにふらりと現れたドイツ女のジャスミン。最初はよそ者と白い目で見ていた住人たちも、いつしかこの肥えたドイツ女の優しさと明るさに魅かれていく。砂漠のさびれたカフェはいつしか砂漠のオアシスへと変ってゆく・・・。
イラクの首都はバグダッド「BAGHDAD」。一方、作品中のカフェの由来は、かつて店から約60km東に実在した小さな町「BAGDAD」から。砂漠のオアシスにジャスミンが再来する日は来るのだろうか?そんなことを想った。作品の終盤、カフェの住人である女刺青師が悲しい表情で「仲良すぎるわ」と言い残して出てゆく場面が秀逸である。それは奇妙な違和感とともにドイツ映画っぽい?陰のある憂鬱感を覗かせる。某国の主体性のない仲良しごっこへの皮肉と映るのは深読みにすぎるか。
アメリカにあこがれ、アメリカ映画を撮ろうとしたドイツの映画作家ヴィム・ヴェンダースが、テキサスの砂漠に実在するパリを題材に撮ったロードムービーの傑作『パリ、テキサス』(84)へのオマージュが、この『バグダッド・カフェ』には込められている。80年代半ばに終焉をむかえた〈ニュージャーマン・シネマ〉の流れを汲む作品といえる。
バグダッド・カフェ [VHS]
ゆるゆると流れ行く時間。
控えめのセリフ。
抑えた音楽。
静寂。
色遣い、天候、ブーメラン、テーマ曲ほか
の演出も、計算され尽くされていて心ニクイ。
そんな中に、
触れ合いによって徐々に瑞々しさを増して行く
心温まる人の様がしっかりと織り込まれている。
オープニングからガッチリ掴み、CGや大音響を伴う
派手な展開でガンガン引っ張るのを専らにする人から
見れば、退屈な映画には違いない。
しかし、
味わい深い映画とは、きっとこういうのを指すのだろう。
荒んだ気持ちを洗い流して人間らしさを取り戻したい。
そんな方にぜひお薦めしたい。
さらに今回の再編集により、
音と映像のコントラストや輪郭が格段に鮮明になった。
DVDとは別の作品と言っていいほどの激変である。
パッケージングは、作品への愛情に満ち溢れている。
これほどまでにファン心理をくすぐる商品も珍しい。
BD化とはかくあるべし、を体現した1本である。
バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]
ネガをデジタル処理した物をパーシー・アドロン監督が再トリミング、色調の再調整をしたと言う本当の意味でのニュー・ディレクターズ・カット版のBD。
オープニングタイトルが"BAGDAD CAFE"ではなく、原題の"OUT OF ROSENHEIM"になっているのが、監督の想いを表現していて良い。
多くの映画ファンを魅了した良質なストーリーテリングには今更説明は不要であろう。未見の方は騙されたと思って、一度本作に触れてみていただきたい。
決して美しいとは言えないはずの肉感たっぷりのドイツ女性ヤスミンが奥ゆかしくも不思議な魅力を次々と放ち、あなたをこの作品世界に引き込むに違いない。
笑顔で観る事もあれば、涙で観る事もあるだろう。観る物のその時々の感性の微妙な変化によって受ける印象も異なるのではなかろうか。
繊細で柔和な優しさが豊かなポテンシャルを持って内在している、そんな映画だ。
映像コーデックはMPEG4 AVCであり、全体的に繊細で上質な画像が提供されている。鮮やかになった色調も良い。場面によってフィルムライクな粒子感たっぷりの画質が目立つのだが、ともすれば忘れそうになってしまう「このカフェ砂漠の中にあるんだ」という事実を思い出させる装置として上手に機能していると思う。PQ 4/5。
音声コーデックはLPCM2.0ch。ノイズの無いクリアーな音に作品の奥行きが深まる。特に、この鮮明なサウンドで聴ける、名曲「コーリング・ユー」は最高。ジワジワと感動を広げることに貢献するに違いない。SQ 4/5。
これから何度鑑賞する事になるのだろうか。そんなことを思わせるBDだ。
DVDから買い直す価値は十分にあるだろうし、初めての方もBDの方がより繊細に作品世界に触れる事ができるだろう。
因みに、おまけで付属する"rosenheim"のステッカー(ポットに貼ってあったもの)が何やら嬉しかったりする。
バグダッド・カフェ(字幕スーパー) [VHS]
ドイツ映画でありながら作品の舞台はアメリカ。西海岸モハーベ砂漠のハイ・ウェイ沿いにある薄汚れたカフェバグダッド・カフェ ブレンダは、役立たずの夫や、ここ住み着いた変わり者たちに囲まれてもんもんとした毎日を送っていた。そこにふらりと現れたドイツ女のジャスミン。最初はよそ者と白い目で見ていた住人たちも、いつしかこの肥えたドイツ女の優しさと明るさに魅かれていく。砂漠のさびれたカフェはいつしか砂漠のオアシスへと変ってゆく・・・。
イラクの首都はバグダッド「BAGHDAD」。一方、作品中のカフェの由来は、かつて店から約60km東に実在した小さな町「BAGDAD」から。砂漠のオアシスにジャスミンが再来する日は来るのだろうか?そんなことを想った。作品の終盤、カフェの住人である女刺青師が悲しい表情で「仲良すぎるわ」と言い残して出てゆく場面が秀逸である。それは奇妙な違和感とともにドイツ映画っぽい?陰のある憂鬱感を覗かせる。某国の主体性のない仲良しごっこへの皮肉と映るのは深読みにすぎるか。
アメリカにあこがれ、アメリカ映画を撮ろうとしたドイツの映画作家ヴィム・ヴェンダースが、テキサスの砂漠に実在するパリを題材に撮ったロードムービーの傑作『パリ、テキサス』(84)へのオマージュが、この『バグダッド・カフェ』には込められている。80年代半ばに終焉をむかえた〈ニュージャーマン・シネマ〉の流れを汲む作品といえる。
バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]
ドイツ映画でありながら作品の舞台はアメリカ。西海岸モハーベ砂漠のハイ・ウェイ沿いにある薄汚れたカフェバグダッド・カフェ ブレンダは、役立たずの夫や、ここ住み着いた変わり者たちに囲まれてもんもんとした毎日を送っていた。そこにふらりと現れたドイツ女のジャスミン。最初はよそ者と白い目で見ていた住人たちも、いつしかこの肥えたドイツ女の優しさと明るさに魅かれていく。砂漠のさびれたカフェはいつしか砂漠のオアシスへと変ってゆく・・・。
イラクの首都はバグダッド「BAGHDAD」。一方、作品中のカフェの由来は、かつて店から約60km東に実在した小さな町「BAGDAD」から。砂漠のオアシスにジャスミンが再来する日は来るのだろうか?そんなことを想った。作品の終盤、カフェの住人である女刺青師が悲しい表情で「仲良すぎるわ」と言い残して出てゆく場面が秀逸である。それは奇妙な違和感とともにドイツ映画っぽい?陰のある憂鬱感を覗かせる。某国の主体性のない仲良しごっこへの皮肉と映るのは深読みにすぎるか。
アメリカにあこがれ、アメリカ映画を撮ろうとしたドイツの映画作家ヴィム・ヴェンダースが、テキサスの砂漠に実在するパリを題材に撮ったロードムービーの傑作『パリ、テキサス』(84)へのオマージュが、この『バグダッド・カフェ』には込められている。80年代半ばに終焉をむかえた〈ニュージャーマン・シネマ〉の流れを汲む作品といえる。