CASSHERN [DVD]
監督がすべての責任を被る、それはある意味正しい。
でも監督のせいでこの映画が悪いという言い方はかならずしも正しくない。
脚本家はすべて一流の人であるし、ストーリーも、あらかじめツッコめる箇所を与えておいて、それを全部消し去るようなかなり巧妙な細工が施してある。ただボリュームが大きいのでこれを映画用の時間に収めることが難しくて若干内容が説明的になっている。アクションシーンが全然なっていない、かなりひどい。こう言ったことは批評として適切である。
でも、見た後の感じが個人的に不愉快だ、イヤだ、というだけで、その映画を「駄作」と括ってしまうことは、批評としては適切ではない。この映画は「反戦」の映画だと言われているのも、こうした先入観を助長している要因の一つだ。ときどき出てくる中国語やロシア語の文字だが、攻殻機動隊やカウボーイビバップには出てくるし、なにしろユーラシア大陸全土が国家なのだからこう言うものが出ても不自然ではない。これを単純に政治的シグナルと読み取る視聴者のスタンスは若干窮屈で短絡的だ。
自分の見た感想では、これは問題作だ。DVDが出たこの短期間のうちに250近いレビューが出ている、しかも票は傑作と駄作に大きく割れている。それはこれが問題作であることを表している。そしてメッセージも、やはり「こうすべき」という決断を下さず、さて、これからどうしましょうか、と問いかける内容になっている。なのでこれは問いかけとしての作品だ。
問いかけとしての作品は、それに明確に答えられない場合には、高く評価するというのが自分のスタンスだ。なので星は4つ。
CASSHERN [DVD]
監督が言いたいことはすごく良く解ります。
ただ、言い方を変えると監督の年代の人なら、だれでもが考えることをそのままぶつけてしまった作品だともいえます。
こういうテーマの映画をいつか撮りたい、とずっと暖めておられたのかも知れませんが、暖めているうちに時代遅れになってしまったのだと思います。また、テーマの主張がストレートすぎるため、押し付けがましくなっているのも評価が低い理由の一つ。
自分がジレンマを感じたテーマで、映画という作品を完成させたい、という気持ちは解るのですが、もう少し手法を学んだ方が・・・・。
自己満足的な作品ですが、それほど駄作という訳ではありません。
自分の夢をかなえた監督の作品。という意味では高く評価できるかも。
GOEMON Ultimate BOX [DVD]
大沢さん演じる、才蔵の男気に惚れ惚れしました! 個人的には『アナザヘウ゛ン』以来の江口さんとの顔合わせということもあり、その点でも嬉しかったです。。 CGはあくまで味付け! 俳優の皆さんの演技力にこそ着目していただきたい作品です!!
トラとカラスと絢子の夢
紀里谷さんの映画作品と本の内容のギャップが意外に思い読んでみました。
主人公は絢子ちゃん。
途中のページである事で絢子ちゃんのお父さんが『世界はひとつだから』と言ったところから、もう私は紀里谷さんの一番言いたいことを感じ涙が出てきました。
日本の戦争は終わったけれど、地球上ではまだ続いています。
『平和』という価値感を幼い絢子ちゃんを通して、改めて『平和』とは『家族』とは『生きる』とはを考えさせられる傑作です。
とにかく、学校の教科書に載せる価値があるぐらいの一冊だと思いました。
特に絢子ちゃんと同世代の小学生にはいまいちピンとこない『戦争・平和の大切さ』を絢子ちゃんの視線を自分に置き換えて感じることの出来るのではないでしょうか。
【映画パンフ】CASSHERN
★DVDのウルティメットエディションの特典映像とカブる部分もありますが、
副読本として読み返して楽しめる内容はなかなか。
また、冊子自体が卓上に飾れそうなデザインに作られています。
実質送料だけで手に入りますし、ファンなら押さえておいて損はないと思いますよ。
★ブライの冊子に、作中世界の国境線が分かる地図が載っています。
確かDVDの映像特典には地図は含まれていなかったので、
がっつり考察したい人には必携の資料となります。
★何故か「オモチャ」と「ホビー」カテゴリに二重に登録されていますね。
(2011年12月7日現在)
【装丁】
2004年4月19日発行、定価900円
DVDサイズ。高さはウルティメットエディションと同じだが、横幅は1cmほど短い。
ボール紙製の外箱に冊子3冊が入っている構成。
ブライの冊子の表紙は枠がベージュ色の2色刷りだが、
外箱、残りの冊子2冊の表紙は全部モノクロ印刷で統一されておりカッコイイ。
冊子の背表紙にはロゴが入っており、DVDウルティメットエディションと同じデザインになっていて芸が細かい。
冊子の表紙・裏表紙はいずれも、広告用ポスターと同じもの。
(「映画「CASSHERN」に思うこと」で検索すると出てくる)
★キャシャーンの冊子
裏表紙はバラシン。
フルカラーの劇中カット写真集になっており、
文字は最終ページの主題歌歌詞カードのみ。
ページ全面を使って、バトルシーン、建物の炎上シーンなど
迫力のあるシーンばかりを集めてある。
人物のブロマイド的な写真はほとんど無い。
★ブライの冊子
裏表紙はアクボーン。
ほとんど読み物。
あらすじ、監督からの挨拶、出演者コメント、世界観設定資料、
絵コンテ、キャシャーンのスーツ設計図(DVD特典と同じもの)
ツメロボの撮影用フィギュアが出来るまでの工程、
飛行艇・ロボットなどのデザイン画。
原作キャラクターと劇場版キャシャーンの登場人物の比較。
★ルナの冊子
裏表紙はサグレー。
フルカラーの写真集。
文字は、最初のページに冊子のコンセプトが一言、最終ページにスタッフ名が書かれているだけ。
背景が美しいシーン、回想シーン、キャシャーンとルナが抱き合っているシーンなど、
動きの少ない、重要な心理描写シーンを集めてある。
★付属品
通信販売の申し込み方法、フィギュア、主題歌CDの広告チラシが1枚入っているだけ。
特にフィギュア2体の写真は必見。出来が残念過ぎて笑っちゃいますよ?