Saxophone Colossus (Reis)
定番、名盤。
サキソフォン・コロッサス、通称「サキコロ」
録音は1956年。ということは1930年生まれのソニーはまだ26歳だ。
そんな若造が、アルバムの題名を「サックスの巨人」としてしまうところがソニー・ロリンズのスゴさなのだろう。
最後まで叶わなかったが、マイルス・デイビスがずっと一緒のバンドでプレイしたかったプレイヤーがソニー・ロリンズ。コルトレーンにでさえ文句ばかり言っていたマイルスがほれ込んだ男がソニー・ロリンズ。
きっとだれもがどこかで耳にしたことがあるであろう、St.Thomas。
カリプソのリズムが聞く者の気持ちを明るく、穏やかにさせる。
そして、Moritat。
これは別名 Mack The Knife。
Mack The Knifeといえばエラ・イン・ベルリンのシャバダバ、ウディウディも気持ち良いが、ソニーのMoritatも気持ち良さ満開。
なぜ同じ曲が二つの曲名を持つのかは不明。
マイルスが、事前に計算し尽くされたアドリブをいかにもアドリブらしく演奏する名手なら、ソニーは全くその逆で、ものすごいテクニックを使うアドリブを、聞き手には全くアドリブと気づかせないで演奏する名手なのだろう。だから、初心者にも非常に聞きやすい。そこが永遠の名盤たる所以だろう。
モントリオール1982 [DVD]
ロリンズの映像って以外に見られないんですよね。だからこれは貴重。
ツーギターでその一人は増尾好秋。23年前のライブなんで画像は
シャープさがないがサウンドは最高。現役のジャズミュージシャンでは
神様みたいなもんですね。ぜひ見て、聞いてください。
Night at the Village Vanguard
ロリンズの、57年NYはVillage Vanguard でのライブを収めた超有名盤。LPではVol.1 とVol.2 に分けられていたものを、そこに含まれていなかったトラックを加え、曲順も整理しなおされてコンプリート2枚組として出たので、改めて買って聞いてみたが、これが実に良い!!
ドラム、ベース、テナーというシンプルなトリオ編成による、飾り気はないが全体にゴリッと芯の通った、質実剛健ともいえる非常にかっこいいジャズ。夜のあのVillage界隈を思い出させるテナーの音色、印象的なスタンダードの数々、テーマに近すぎず離れすぎでもない絶妙のアドリブ、決して飽きさせないリズム・セクションと、聞くほどにアルバムの魅力が増す。夜に1人で聴いていると、そのハードボイルドな熱気に眩暈をおぼえるほどだ。
サキソフォン・コロッサス
Sonny Rollins 『Saxophone Colossus』
1. St. Thomas
2. You Don't Know What Love Is
3. Strode Rode
4. Moritat
5. Blue 7
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モダン・ジャズを語る上で絶対に外せないアルバムだと思う。
ソニー・ロリンズの最高傑作は間違いなくこのアルバムだろう。
(それでもロリンズ自信はまだまだ自分の演奏に満足はしていなかったみたいだが。)
カリブ海に浮かぶ島をイメージしたカリプソ・ナンバーの#1は、まさにモダン・テナーの巨人ソニー・ロリンズを代表する名曲である♪
今ではスタンダード化したナンバーでもある。
"Cメジャー・スケール"だけでできたとてもシンプルな曲♪
続く#2は、ロリンズのムード満点のサックスが聴けるバラード♪
まさに"ジャズ=都会の夜の音楽"を表しているかのような曲である。
ちなみにマイルス・デイヴィスのver.もジョン・コルトレーンのver.も素晴らしい♪
#3は、地元のジャズ・クラブ、ストロード・ラウンドに因んで付けられた曲で、スタッカート奏法を駆使したテーマがかっこいいハード・バップ・ナンバーである♪
そして#1とともにロリンズを代表する曲である#4もまた素晴らしい名演である♪
元はクルト・ワイル作曲の「三文オペラ」劇中歌で、「モリタート」とは「罪状記」のこと。
そして最後はブルース・ナンバーで締めくくる完璧な5曲が入った完璧なアルバムである♪
「男性的なテナー・サックスを聴きたければソニー・ロリンズを聴けばいい。」とは、ブルー・ノート・レーベルの創始者アルフレッド・ライオンの言葉ですが、まさにそんなロリンズの魅力を味わうには十分な歴史的名盤である♪