テノール・アリア名曲集
講義で評論をするときに参考になるかもしれないと買ったわけだが、聴き始めるとそんなことはもう頭に浮かばなくなっていた。ステレオがビブラートしているというのは本当。テノールの醍醐味が十分に味わえる。
ベルカントの至芸~タリアヴィーニの芸術
10年程前に亡くなられた代表的なイタリアのテノール、タリアヴィーニの名唱の数々を聴きながら、少しだけ感想を。
テノールというと輝かしいパバロッティのようなタイプをイメージすることが多いのですが、美声のテノールといえばタリアヴィーニを第1にあげたいと思います。豊かだけれど押しつげがましくなく、優しい発声のテノールですので、とても聞き易く親しみやすい、甘い美声の持ち主です。端正といっても良いベルカントのお手本でしょう。
弱音も良く響いており、歌詞も明確です。ファルセットと地声の処理がとても巧みですね。流石ですが。
オリジナル音源ですので、どうしてもモノラル録音等のナローレンジのため若干高音の響きが少ない感じのする録音もありますが、タリアヴィーニの声の輝きを確認するには最適の復刻盤だと思います。
古くはNHKの招いたイタリア歌劇団第2回公演(1959)の「愛の妙薬」のネモリーノ役で歌った「人知れぬ涙」の歌唱が忘れられません。当然、その後数十年たって放送された白黒映像での姿を見たわけですが、哀愁に満ち、ネモリーノの気持ちを切々と歌い上げていました。録音状態が悪いにも関わらずその技量と感性に驚いたものです。タリアヴィーニが46歳の熱唱でした。
オールド・クラシックファンにとって、タリアヴィーニがイタリア・オペラの中でテノールの第1人者だという人も多いのは、この時の「伝説」によるものでしょう。
このCDに収められている全盛期の美声に触れて頂き、正統派のベルカントの真髄に接して頂きたいと切に願っています。
テノールというと輝かしいパバロッティのようなタイプをイメージすることが多いのですが、美声のテノールといえばタリアヴィーニを第1にあげたいと思います。豊かだけれど押しつげがましくなく、優しい発声のテノールですので、とても聞き易く親しみやすい、甘い美声の持ち主です。端正といっても良いベルカントのお手本でしょう。
弱音も良く響いており、歌詞も明確です。ファルセットと地声の処理がとても巧みですね。流石ですが。
オリジナル音源ですので、どうしてもモノラル録音等のナローレンジのため若干高音の響きが少ない感じのする録音もありますが、タリアヴィーニの声の輝きを確認するには最適の復刻盤だと思います。
古くはNHKの招いたイタリア歌劇団第2回公演(1959)の「愛の妙薬」のネモリーノ役で歌った「人知れぬ涙」の歌唱が忘れられません。当然、その後数十年たって放送された白黒映像での姿を見たわけですが、哀愁に満ち、ネモリーノの気持ちを切々と歌い上げていました。録音状態が悪いにも関わらずその技量と感性に驚いたものです。タリアヴィーニが46歳の熱唱でした。
オールド・クラシックファンにとって、タリアヴィーニがイタリア・オペラの中でテノールの第1人者だという人も多いのは、この時の「伝説」によるものでしょう。
このCDに収められている全盛期の美声に触れて頂き、正統派のベルカントの真髄に接して頂きたいと切に願っています。
オペラCDこの一枚~99トラック+1=100いいとこ取り
廉価でこういう「つまみ食い」「お勉強」を売る企画は、30年以上むかしから存在した。LPの時代であるから、ちょっと用事で中座して戻ると、もう「いま、いったいどの曲なんだあ!」という目に遭った(笑)。だいたいにおいてレコード店でお得意さんにタダで配っていたが、当時のCBS/ソニーだけは、ばっちり500円で売っていた。店頭にないときは注文せよというので現金封筒に100円玉を5枚入れて本社に送った。結論から言うと、とにかくレコードは来なかった。督促すること4回目くらいに現金封筒の送付証明の部分をコピーして送ったら返信がきた。封筒をあけると500円玉が1枚転がり出てきた。文書はなにも無かった。それ以来わたしはその会社のレコードをこの30年間、なるべく買わないようにしている。
本題にはいる。こうしたディスクは買わないほうが良い。全曲入ったCDを1枚、また1枚と、もとめるべきだと思う。声楽はオペラに直結するから、2枚組や4枚組になることもしばしばだ。それでも、サワリばっかりきいているより遙かに理解にせまれる。
で、レビューの題名にした件ですが「99+1=100」という数学からわたしが直感したのは「FLORENCE FOSTER JENKINS を使う気だ」ということである。彼女はトラック13の「鐘の歌」とトラック36の「夜の女王のアリア」をこよなく愛していた。これ以上は、わからない。彼女の録音は国内盤でも外盤でも健在であるが、国内盤においてはあろうことか上記の2曲が入っていない。
ひさしぶりに彼女の「鐘の歌」でも聴こうかな。
本題にはいる。こうしたディスクは買わないほうが良い。全曲入ったCDを1枚、また1枚と、もとめるべきだと思う。声楽はオペラに直結するから、2枚組や4枚組になることもしばしばだ。それでも、サワリばっかりきいているより遙かに理解にせまれる。
で、レビューの題名にした件ですが「99+1=100」という数学からわたしが直感したのは「FLORENCE FOSTER JENKINS を使う気だ」ということである。彼女はトラック13の「鐘の歌」とトラック36の「夜の女王のアリア」をこよなく愛していた。これ以上は、わからない。彼女の録音は国内盤でも外盤でも健在であるが、国内盤においてはあろうことか上記の2曲が入っていない。
ひさしぶりに彼女の「鐘の歌」でも聴こうかな。