エミール・ギレリス もうひとつのロシア・ピアニズム 著者:G.B.Gordon 訳:森松皓子(単行本)
私の大好きなピアニストのひとり、
エミール・ギレリスについての評伝です。
偉大な音楽家であった彼の評伝は、意外に少なくて、亡くなられてから
長く経ったような、そうでないような不思議な時間感覚のまま、
聴き手の多くが生きているせいもあって、
逆にあまり多くの紹介をされないで来た気がします。
他の方も挙げておられますが
彼の未完成のベートーヴェン・ソナタのチクルスや
ブラームス・グリークなど
未だ録音を聴けば素晴らしいピアニストであるのに、
彼の演奏が聴かれなくなってしまうのはもったいないので、
多くの人に読まれ聴き手が増えたらいいなあと思います。
私は、ギレリスの強靭な技術を、粗野な印象で受け取ったことはなく
単純に、ダイナミックな演目の出来が良くて、代表的とされているだけで
プロコやスクリャービンなどもいいだろうと思います。
もちろんショパンやシューマンも。でも、CDセールスの現場は
私たちにそのような演目での彼を引き合わせてくれなかったとも
思います。今後、そのような他の演目を弾く彼とも、再会する契機になったら
とっても嬉しいのですが。
全編賛辞(不当な賛辞ではないのです、たぶん)なので
ほかの評伝とも合わせてご覧になると、面白いのかもしれません。
ギレリス自身が寡黙で優しい、自分をひけらかさない
方だったので、意外と一般のファンは知らない事が
多いので、面白く読めます
エミール・ギレリスについての評伝です。
偉大な音楽家であった彼の評伝は、意外に少なくて、亡くなられてから
長く経ったような、そうでないような不思議な時間感覚のまま、
聴き手の多くが生きているせいもあって、
逆にあまり多くの紹介をされないで来た気がします。
他の方も挙げておられますが
彼の未完成のベートーヴェン・ソナタのチクルスや
ブラームス・グリークなど
未だ録音を聴けば素晴らしいピアニストであるのに、
彼の演奏が聴かれなくなってしまうのはもったいないので、
多くの人に読まれ聴き手が増えたらいいなあと思います。
私は、ギレリスの強靭な技術を、粗野な印象で受け取ったことはなく
単純に、ダイナミックな演目の出来が良くて、代表的とされているだけで
プロコやスクリャービンなどもいいだろうと思います。
もちろんショパンやシューマンも。でも、CDセールスの現場は
私たちにそのような演目での彼を引き合わせてくれなかったとも
思います。今後、そのような他の演目を弾く彼とも、再会する契機になったら
とっても嬉しいのですが。
全編賛辞(不当な賛辞ではないのです、たぶん)なので
ほかの評伝とも合わせてご覧になると、面白いのかもしれません。
ギレリス自身が寡黙で優しい、自分をひけらかさない
方だったので、意外と一般のファンは知らない事が
多いので、面白く読めます
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、第21番「ワルトシュタイン」、第26番「告別」
ギレリスの演奏を聞いたのは初めてですが、アシュケナージのようなダイナミックな躍動感があり、ポリーニのような完璧なテクニックを持ち、バックハウスのように気品があり、ルービンシュタインのように健康的で、巨匠・大物ピアニスト達のあらゆる特徴を兼ね備えているのに一切の違和感が無く、自然であるというのが率直な感想でした。
このような特徴を敢えて一言で表現しようとすると、やはり一般的に言われている「骨太」「鋼鉄のタッチ」等といった言葉がシックリとくるように感じます。
ギレリスは自分自身の演奏を「リヒテルよりも遥かに下。」と位置づけしていたそうですが、このCDを聞くと音楽評論家の故・吉田秀和さんの「謙虚過ぎる。全盛期のギレリスの演奏はリヒテル、ホロヴィッツ、ルービンシュタインに少しも劣らない、あるいはそれ以上。」という評価が実感出来ます。
このような特徴を敢えて一言で表現しようとすると、やはり一般的に言われている「骨太」「鋼鉄のタッチ」等といった言葉がシックリとくるように感じます。
ギレリスは自分自身の演奏を「リヒテルよりも遥かに下。」と位置づけしていたそうですが、このCDを聞くと音楽評論家の故・吉田秀和さんの「謙虚過ぎる。全盛期のギレリスの演奏はリヒテル、ホロヴィッツ、ルービンシュタインに少しも劣らない、あるいはそれ以上。」という評価が実感出来ます。
Beethoven Sonatas
ギレリスの評価が低いのは宇野先生の酷評による所が多いのでは。
強靭なタッチ、として嫌っている方も多いようです。
しかし、素晴らしいです。30、31番の最晩年の素晴らしい演奏は誰にでも評価の高い演奏ですが、
それ以前の強靭な(笑)演奏も素晴らしいです。特にハンマークラヴィーア。これを越える演奏はなかなかないですよ。
ぜひ全曲録音を完成してほしかった!
食わず嫌いな方も一度どうぞ。
強靭なタッチ、として嫌っている方も多いようです。
しかし、素晴らしいです。30、31番の最晩年の素晴らしい演奏は誰にでも評価の高い演奏ですが、
それ以前の強靭な(笑)演奏も素晴らしいです。特にハンマークラヴィーア。これを越える演奏はなかなかないですよ。
ぜひ全曲録音を完成してほしかった!
食わず嫌いな方も一度どうぞ。