ミハエル・クルムのレーシング「超」運転術
定番中の定番、故ポール・フレール氏の「ハイスピード・ドライビング」と並ぶ名著と思います。
某国際サーキットで開催されている、JAF公認のローカルレースに参加しています。
サーキット走行やレース走行で必要とされるテクニックにおいてはきちんと体系だったスクールやレッスンは世の中ほぼ皆無といえ、私達アマチュアレース愛好家/スポーツ走行愛好家の多くはレーシングガレージのスタッフや先輩・知人たちから断片的なワンポイントアドバイスをもらったり、ごく短期間の講習会でプロやインストラクターからワンポイントアドバイスをもらったりしているのが現状かと思います。
…ですので、時間的制約などで「基礎からみっちり教わる」というよりは、「表面的な悪い点を指摘してもらうだけ」に終わりがちです。つまり「なぜそうなるのか?直すためには何が必要なのか?」という突っ込んだ話まではできていない、というケースが非常に多いかと思います。
わずかながら公認スポーツインストラクターの経験もある私には、スポーツ業界に比べると指導技術や理論が立ち遅れている気がしてなりませんでした。
(プロドライバーを目指す若者向けの「レーシングスクール」と銘打ったものは一応ありますが、スクールというより特待生を選抜するふるい落とし試験に近いようです。)
この著書ではその基本中の基本の部分…例えば走行中の目線送り(スポーツでも2輪の走行でも基本中の基本ですよね?)、フィジカルトレーニング、メンタル面、などにまで踏み込んだアドバイスが豊富に記されています。
著者は名テニスプレーヤーである伊達君子さんを奥さんに持つだけに、この業界でよくありがちな「モータースポーツとスポーツは別物」(?)といった偏見など全くなく、スポーツとの共通点も混ぜながらわかりやすく解説してくれています。
また「○○よりも××にしたほうが良い」(例えばブレーキを遅らせるのがいいか?アクセルを早く開けるのがいいか?)という議論のひとつひとつ、可能な限り明確な理由を示してくれたり、ロガーデータなど客観的な根拠を示してくれていて、非常に説得力があり納得させられます。
ここで伝統的に語られている根拠の乏しい話があっさり覆されたりして、とても気持ち良いです(笑)
さらには、こういった基本中の基本の部分を突っ込んで解説してくれるだけでなく、全く逆に…
他の著書では省かれていた(あるいは意図的に触れていなかった?)、シミュレーターやゲームの利用(←アマチュアレベルでは意外に軽視されがちなんです)、コースの下見(これは一般人には難しいですが)、予選や決勝においての具体的なテクニックや留意点、レース中の接触、悪天候の走行、そしてクラッシュを避けられない場合の対処法など、実践的かつ画期的に突っ込んだ内容についても極力客観的な根拠やデータを示しながら一流ドライバーの経験を加え語ってくれています。
今までのアマチュアモータースポーツ界の経験論ベースの根拠に乏しい理論が幅を利かせていることに疑問を感じていた私にとって、まさに「我が意を得たり」の待望の著書です。
この書を購入後、何回も読み返しながらスポーツ走行やグランツーリスモで反復練習と内容の確認を続けてきており(もちろんフィジカルトレーニングも!)、最近明らかに走行中の意識が今までになくいい方向に変わってきているのを実感しています。次のレースが楽しみでしかたないです(笑)
アマチュアのスポーツ走行愛好家・レース愛好家、中でも特にスポーツ経験者や理系人間に、是非ともお勧めしたい名著です。
某国際サーキットで開催されている、JAF公認のローカルレースに参加しています。
サーキット走行やレース走行で必要とされるテクニックにおいてはきちんと体系だったスクールやレッスンは世の中ほぼ皆無といえ、私達アマチュアレース愛好家/スポーツ走行愛好家の多くはレーシングガレージのスタッフや先輩・知人たちから断片的なワンポイントアドバイスをもらったり、ごく短期間の講習会でプロやインストラクターからワンポイントアドバイスをもらったりしているのが現状かと思います。
…ですので、時間的制約などで「基礎からみっちり教わる」というよりは、「表面的な悪い点を指摘してもらうだけ」に終わりがちです。つまり「なぜそうなるのか?直すためには何が必要なのか?」という突っ込んだ話まではできていない、というケースが非常に多いかと思います。
わずかながら公認スポーツインストラクターの経験もある私には、スポーツ業界に比べると指導技術や理論が立ち遅れている気がしてなりませんでした。
(プロドライバーを目指す若者向けの「レーシングスクール」と銘打ったものは一応ありますが、スクールというより特待生を選抜するふるい落とし試験に近いようです。)
この著書ではその基本中の基本の部分…例えば走行中の目線送り(スポーツでも2輪の走行でも基本中の基本ですよね?)、フィジカルトレーニング、メンタル面、などにまで踏み込んだアドバイスが豊富に記されています。
著者は名テニスプレーヤーである伊達君子さんを奥さんに持つだけに、この業界でよくありがちな「モータースポーツとスポーツは別物」(?)といった偏見など全くなく、スポーツとの共通点も混ぜながらわかりやすく解説してくれています。
また「○○よりも××にしたほうが良い」(例えばブレーキを遅らせるのがいいか?アクセルを早く開けるのがいいか?)という議論のひとつひとつ、可能な限り明確な理由を示してくれたり、ロガーデータなど客観的な根拠を示してくれていて、非常に説得力があり納得させられます。
ここで伝統的に語られている根拠の乏しい話があっさり覆されたりして、とても気持ち良いです(笑)
さらには、こういった基本中の基本の部分を突っ込んで解説してくれるだけでなく、全く逆に…
他の著書では省かれていた(あるいは意図的に触れていなかった?)、シミュレーターやゲームの利用(←アマチュアレベルでは意外に軽視されがちなんです)、コースの下見(これは一般人には難しいですが)、予選や決勝においての具体的なテクニックや留意点、レース中の接触、悪天候の走行、そしてクラッシュを避けられない場合の対処法など、実践的かつ画期的に突っ込んだ内容についても極力客観的な根拠やデータを示しながら一流ドライバーの経験を加え語ってくれています。
今までのアマチュアモータースポーツ界の経験論ベースの根拠に乏しい理論が幅を利かせていることに疑問を感じていた私にとって、まさに「我が意を得たり」の待望の著書です。
この書を購入後、何回も読み返しながらスポーツ走行やグランツーリスモで反復練習と内容の確認を続けてきており(もちろんフィジカルトレーニングも!)、最近明らかに走行中の意識が今までになくいい方向に変わってきているのを実感しています。次のレースが楽しみでしかたないです(笑)
アマチュアのスポーツ走行愛好家・レース愛好家、中でも特にスポーツ経験者や理系人間に、是非ともお勧めしたい名著です。
ミハエル・クルムのレーシング「超」運転術
長らくドイツや日本のレース界で活躍し、今もなお活躍中のミハエル・クルムによるレース指南書です。
(プロテニスプレイヤーのクルム伊達公子の旦那さんとしても有名な人です。)
これまでもドライビングテクニックを解説した本はたくさんありましたが
精神論や非常に基礎的な理論に終始しており、では実際にどうやって応用するか?
プロほどの才能を持たない素人には必要な感覚がそもそも欠けているのではないか?
という疑問を持たずにはいられませんでした。
しかし、これは基礎的な理論だけでなくレース内・外で起こるあらゆる状況
(それこそマシンセッティングから基本的なテクニック、レース中の攻防まで)に対し
筆者の膨大な経験とデータにもとづき可能な限り客観的に突き詰めて解説しています。
あまりにも情報が多く且つレースに特化した内容なので初めてドラテク本を読む人には内容が多すぎる、
とはいえ本格的にレースに打ち込んでいる人はもっと専門的な知識が欲しい、と思われるかもしれません。
しかし、筆者のレースに対する貪欲なまでの探究心と誠実さから得られた知識と情報は一見の価値があります。
なぜタイムが伸びないのか、どうして勝てないのか、何をすればいいのか、悩む人におすすめです。
(プロテニスプレイヤーのクルム伊達公子の旦那さんとしても有名な人です。)
これまでもドライビングテクニックを解説した本はたくさんありましたが
精神論や非常に基礎的な理論に終始しており、では実際にどうやって応用するか?
プロほどの才能を持たない素人には必要な感覚がそもそも欠けているのではないか?
という疑問を持たずにはいられませんでした。
しかし、これは基礎的な理論だけでなくレース内・外で起こるあらゆる状況
(それこそマシンセッティングから基本的なテクニック、レース中の攻防まで)に対し
筆者の膨大な経験とデータにもとづき可能な限り客観的に突き詰めて解説しています。
あまりにも情報が多く且つレースに特化した内容なので初めてドラテク本を読む人には内容が多すぎる、
とはいえ本格的にレースに打ち込んでいる人はもっと専門的な知識が欲しい、と思われるかもしれません。
しかし、筆者のレースに対する貪欲なまでの探究心と誠実さから得られた知識と情報は一見の価値があります。
なぜタイムが伸びないのか、どうして勝てないのか、何をすればいいのか、悩む人におすすめです。