日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)
現代教養文庫が主要作品を文庫化した時に非常に嬉しかった覚えがありますが、本文庫は更に嬉しい事に挿絵が在ります。(おもわず買いあらためってしまった)
まぁけっして読み易い作品ではありませんが推理小説にしては再三再四読んでも飽きませんし理解が深まるどころか、中途半端、解明しきれない部分等がどんどん出てきて読む度に愉しませてくれます。
横溝の本格もこれ以降だし発表された年代等を踏まえて読んで頂くとこの作品の先駆性・凄さが解ると思います。
まぁけっして読み易い作品ではありませんが推理小説にしては再三再四読んでも飽きませんし理解が深まるどころか、中途半端、解明しきれない部分等がどんどん出てきて読む度に愉しませてくれます。
横溝の本格もこれ以降だし発表された年代等を踏まえて読んで頂くとこの作品の先駆性・凄さが解ると思います。
黒死館殺人事件
日本推理小説の中で、「三大奇書」と呼ばれる本作品を、オジサン化した今年(2013年)、完読しました。
「虚無への供物」「ドグラ・マグラ」は既に読んでいるので、これで、三大奇書を全て読み終えたことになります。
三大奇書のうち、一番推理小説的なのが、「虚無への供物」、もっとも推理小説らしくないのが、「ドグラ・マグラ」で、本作品はその中間に位置すると考えています。
探偵役は「法水麟太郎」という刑事弁護士で、黒死館という、西洋文化を取り入れた、いわば「洋館」での事件発生に駆けつけ、独自の推理を披露していくという物語。
体裁は、発表当時(1935年[昭和10年]に単行本が発刊)の探偵小説の王道を行くもので、いわば「本格推理」と言えると思われます。
ところが、実際読んでみると、「本格推理」は表面上のことで、探偵役の法水の推理に、多くの読者は幻惑されることになるでしょう。
とにかく、○○学と称されるような知識を駆使しての推理で、一見すると、合理的に思われるのですが、真犯人が、そんな学問的な暗示どおりに犯罪を行うとは考えられず、「じつは真相究明からかけ離れた推理」が展開していきます。
ここが、評価の分かれ目でしょう。
「単なる衒学趣味だ」とマイナスに評価するか、「独特の作品世界を構築している」とプラスの評価をするか、読者の評価は、二極化すると考えられます。
私は、後者寄りの意見です。あくまでフィクションなのだから、独自の作品世界に引き込んでくれるのは嬉しい。
そのため、推理小説(ミステリ)としての評価は、それほど高くはありませんが、さすが「奇書」と呼ばれるだけのことはあると、感じられます。
ミステリ好きなら、読んで損はない作品。
何しろ、現在は著作権消滅により、無料で読めるのですから…。
「虚無への供物」「ドグラ・マグラ」は既に読んでいるので、これで、三大奇書を全て読み終えたことになります。
三大奇書のうち、一番推理小説的なのが、「虚無への供物」、もっとも推理小説らしくないのが、「ドグラ・マグラ」で、本作品はその中間に位置すると考えています。
探偵役は「法水麟太郎」という刑事弁護士で、黒死館という、西洋文化を取り入れた、いわば「洋館」での事件発生に駆けつけ、独自の推理を披露していくという物語。
体裁は、発表当時(1935年[昭和10年]に単行本が発刊)の探偵小説の王道を行くもので、いわば「本格推理」と言えると思われます。
ところが、実際読んでみると、「本格推理」は表面上のことで、探偵役の法水の推理に、多くの読者は幻惑されることになるでしょう。
とにかく、○○学と称されるような知識を駆使しての推理で、一見すると、合理的に思われるのですが、真犯人が、そんな学問的な暗示どおりに犯罪を行うとは考えられず、「じつは真相究明からかけ離れた推理」が展開していきます。
ここが、評価の分かれ目でしょう。
「単なる衒学趣味だ」とマイナスに評価するか、「独特の作品世界を構築している」とプラスの評価をするか、読者の評価は、二極化すると考えられます。
私は、後者寄りの意見です。あくまでフィクションなのだから、独自の作品世界に引き込んでくれるのは嬉しい。
そのため、推理小説(ミステリ)としての評価は、それほど高くはありませんが、さすが「奇書」と呼ばれるだけのことはあると、感じられます。
ミステリ好きなら、読んで損はない作品。
何しろ、現在は著作権消滅により、無料で読めるのですから…。