海辺の光景 (新潮文庫)
7編の小説が納められています。
それを一つ一つ読んでいくうちに、軽い痺れのようなものをずっと感じていました。
小説とは、何だったのかということをも思い起こさせるような電流のようなものが体の中を走っていました。
7編の小説は連作と言っても良いほど似通った設定がされています。
人生のある時期が、原木のように目の前に放り出されます。
常についてまわる得体のしれない不安と絶望感。
それを乾いた目で見つめる自分。
物事には起承転結があり、物語が備わっているわけではなく、ただそれは”ある”だけのようにも思えてきます。
整理しきれないほど余りにもたくさんのことが体の中から溢れてきます。
大変な文学遺産だと思います。
それを一つ一つ読んでいくうちに、軽い痺れのようなものをずっと感じていました。
小説とは、何だったのかということをも思い起こさせるような電流のようなものが体の中を走っていました。
7編の小説は連作と言っても良いほど似通った設定がされています。
人生のある時期が、原木のように目の前に放り出されます。
常についてまわる得体のしれない不安と絶望感。
それを乾いた目で見つめる自分。
物事には起承転結があり、物語が備わっているわけではなく、ただそれは”ある”だけのようにも思えてきます。
整理しきれないほど余りにもたくさんのことが体の中から溢れてきます。
大変な文学遺産だと思います。
流離譚 上 (講談社文芸文庫)
幕末に土佐勤王党の一員として活躍した安岡三兄弟。
長男・安岡覚之助は勤王党の獄を生き抜くも戊辰戦争に参加し会津若松城下で戦死。
次男・安岡嘉助は吉田東洋暗殺後脱藩し、天忠組の乱で捕縛され刑死。
三男・安岡道之助は維新後まで生き抜き自由民権運動に参加。
本家の覚之助の子孫が、維新後土佐を離れて東北に移住した理由を、
この安岡家の子孫にあたる安岡章太郎氏が時代背景を追いながらリサーチするという内容になっています。
淡々とした筆致で描かれる幕末激動の土佐。
幕末維新期に活躍した人物を、維新の後まで含めてここまで長い期間、詳細に調べ取り扱った本は意外と貴重なのではないでしょうか。
文庫版は家系図付きなのが嬉しい。
長男・安岡覚之助は勤王党の獄を生き抜くも戊辰戦争に参加し会津若松城下で戦死。
次男・安岡嘉助は吉田東洋暗殺後脱藩し、天忠組の乱で捕縛され刑死。
三男・安岡道之助は維新後まで生き抜き自由民権運動に参加。
本家の覚之助の子孫が、維新後土佐を離れて東北に移住した理由を、
この安岡家の子孫にあたる安岡章太郎氏が時代背景を追いながらリサーチするという内容になっています。
淡々とした筆致で描かれる幕末激動の土佐。
幕末維新期に活躍した人物を、維新の後まで含めてここまで長い期間、詳細に調べ取り扱った本は意外と貴重なのではないでしょうか。
文庫版は家系図付きなのが嬉しい。