夜になるまえに―ある亡命者の回想 (文学の冒険シリーズ)
自由がなくなり独裁が全体主義を敷き、都合の悪いものを圧殺しようとする時に、何が起こるのかを描いた文句無しの名著。 共産主義的全体主義体制のキューバから、主人公が金で自由を買うことのできる資本主義のアメリカ合衆国へ出国できているために、ある種のディストピア文学としての読み方もできることが興味深い(ディストピアの外もまた失望せざるをえない場所であることを示していることも含めて)。 個人的にはアレナスがカストロのキューバを賞賛した経歴のあるガルシア=マルケスを徹底的に毛嫌いしていることが面白かった。 マルケスに対する「安っぽい人民主義」という批評は見事。 いっぽうで、アレナスが絶賛すJLボルヘスに興味が湧いた。 ラテンアメリカ文学のさらなる深みへと誘い水となる読書となった。
夜になるまえに ― オリジナル・サウンドトラック
ずっと見損なっていた映画を相当遅れて、やっと観ました。ジュリアン・シュナーベル監督作品3作中ではベストだと思いました。そして、音楽もベストでした。
特にキューバン・ミュージックのファンではありませんが、絶妙な陽気さと哀愁のミックスチャーは、当時のキューバを音楽自体が映画の主題を物語っていて、素晴らしい!
単に、あの映画に対する選曲が良かっただけかもしれませんが・・・。
逆に、音楽は音楽で完全に独立したパワーをもっており、音楽を聞いても映画のシーンを思い起こさせない。
通常映画は、映像と音楽が表裏一体になっており、どちらかが欠けると、どちらかだけだと、その両方の「マジック」が失われる。
何度も、それには失敗した経験があり、今回は成功!でした。
映画の内容と同等にその音楽も優れていたと思います。
そして、原作も読みましたが、敢えてあの作品を映画化したシュナーベルを監督として尊敬します。おそらく、一作家として原作者に対する深い共感と愛情があったからできたことでしょう。
その深い思いが、音楽に至るまで徹底的にこだわったことが伺える一作そして一枚です。
特にキューバン・ミュージックのファンではありませんが、絶妙な陽気さと哀愁のミックスチャーは、当時のキューバを音楽自体が映画の主題を物語っていて、素晴らしい!
単に、あの映画に対する選曲が良かっただけかもしれませんが・・・。
逆に、音楽は音楽で完全に独立したパワーをもっており、音楽を聞いても映画のシーンを思い起こさせない。
通常映画は、映像と音楽が表裏一体になっており、どちらかが欠けると、どちらかだけだと、その両方の「マジック」が失われる。
何度も、それには失敗した経験があり、今回は成功!でした。
映画の内容と同等にその音楽も優れていたと思います。
そして、原作も読みましたが、敢えてあの作品を映画化したシュナーベルを監督として尊敬します。おそらく、一作家として原作者に対する深い共感と愛情があったからできたことでしょう。
その深い思いが、音楽に至るまで徹底的にこだわったことが伺える一作そして一枚です。
夜になるまえに
共産国家では、国民は監視する側とされる側に二分される。監視される側は、カンボジアが典型だが、虐殺されることもある。殺されないだけ、生きていけるだけ幸せという状況が待っている。こうした狂気の国家は、ソ連から始まり、中国、北朝鮮へと続く訳だが、そうした国で作家がどういう運命を辿るのか、一種の典型例としてこの本は教えてくれる。今もなお、キューバや北朝鮮では国民が奴隷労働させられているのか、と考えると、一人の体験談だが、読後感は余りにも重い。
夜になるまえに【廉価2500円版】 [DVD]
映像がとてもきれいでした。特に、他では見たことのない海の色が印象的でした。
チェ・ゲバラの本を何冊か読んでいて、キューバ革命については革命家の視点からしか知らなかったのですが、やはりいろんな視点から物事を見ることは必要だと感じました。
「ノーカントリー」のハビエル・バルデムさんとは全然ちがう、エキゾチックな魅力いっぱいの主人公でした。
星の数が少ないのは、母親以外の女性の価値があまり感じられない作品だから。
さみしいことでした。
チェ・ゲバラの本を何冊か読んでいて、キューバ革命については革命家の視点からしか知らなかったのですが、やはりいろんな視点から物事を見ることは必要だと感じました。
「ノーカントリー」のハビエル・バルデムさんとは全然ちがう、エキゾチックな魅力いっぱいの主人公でした。
星の数が少ないのは、母親以外の女性の価値があまり感じられない作品だから。
さみしいことでした。
夜になるまえに [DVD]
詩のような語り、美しい音楽のある映画。当時、キューバには、そんなにたくさん居たのかと思う程、革命の混乱の中で日常を送る、その趣味の人々。
この映画には、主人公レイナルドの回想の中に出て来る彼の母以外には、特に印象的な女性は出てこない。この物語に強烈な個性と花を添えているのは、ジョニー・デップだ。この映画では、ほんのわずかな出演だが、もっと長く出演していたら、違った映画になってしまっていたかもしれない。ビクトル中尉とボンボン、この二役を同時に演じられる男性俳優は他にはいないだろう。
この映画には、主人公レイナルドの回想の中に出て来る彼の母以外には、特に印象的な女性は出てこない。この物語に強烈な個性と花を添えているのは、ジョニー・デップだ。この映画では、ほんのわずかな出演だが、もっと長く出演していたら、違った映画になってしまっていたかもしれない。ビクトル中尉とボンボン、この二役を同時に演じられる男性俳優は他にはいないだろう。