スペイン・ギター名演集
演奏の完成度ではジョン・ウィリアムスと並び現代ギター界の双璧の存在。アポヤンドでギターの美音を最大限に生かしたウィリアムスに対し、バルエコはより音の均質性を追求する。
このディスクでも各声部の弾き分けが完璧になされており、ピアノを聴いているような錯覚をおぼえるほどだ。特にアルベニスのカタルーニャにおける複雑な音型を6本の弦上で鮮やかに表現する技量には脱帽だ。
ではなぜ彼がいまひとつメジャーになれないのか?
やはりギター好きを酔わせるような美音に欠けることが一番の理由だろう。音の均質性を達成するためには全体の音色のレベルを落とす必要があった。一般の音楽ファンにはあまりに地味に聞こえてしまう。残念ながらそこがギターという制約の多い楽器のジレンマと感じる。
だがそれでもバルエコがギター界の宝であることは間違いない。何となく「稽古場横綱」的になってしまっているのが残念だが。
このディスクでも各声部の弾き分けが完璧になされており、ピアノを聴いているような錯覚をおぼえるほどだ。特にアルベニスのカタルーニャにおける複雑な音型を6本の弦上で鮮やかに表現する技量には脱帽だ。
ではなぜ彼がいまひとつメジャーになれないのか?
やはりギター好きを酔わせるような美音に欠けることが一番の理由だろう。音の均質性を達成するためには全体の音色のレベルを落とす必要があった。一般の音楽ファンにはあまりに地味に聞こえてしまう。残念ながらそこがギターという制約の多い楽器のジレンマと感じる。
だがそれでもバルエコがギター界の宝であることは間違いない。何となく「稽古場横綱」的になってしまっているのが残念だが。