思いっ切り贔屓目かつ長文のレビューで申し訳ございません。
と、先に謝っておきます(苦笑)。
空の軌跡コミック版、ついに後半開始しました!
ヨシュアとの別れから数か月、ヨシュアを取り戻すための旅が始まります。
1巻ではゲームSCと同じだったかな、ル・ロックル訓練場での特訓から始まり、
ヨシュアとの別れを回想し、FC終了直後のエステルの経緯が丁寧に描かれています。
回想シーンはゲームに比べると比較的アッサリと纏められているのですが、
まぁなんつーか、ゲームではマジ勘弁して、ってくらい切ないシーンを鬱々と
プレイしましたからなぁ……うん、これくらいにしてくれて良かったと私などは思う。
そして結社の目論見を阻止し、ヨシュアを取り戻すためにエステル再始動です。
衣装替えなどのイベントもそれらしく再現し、いざルーアンへとスタート。
関西弁の教会神父もさりげなく登場し、舞台はジェニス王立学園へと。
やはり出て来た能天気音楽家や、クローゼ含めてジェニス生徒たちとも合流し、
空を飛び交う謎の
幽霊騒ぎに挑みます。
オリビエすら好敵手出現の予感を禁じ得ない、白き影のお調子者
仮面。
くっ……一体、誰なんだッ!?(笑)
この作品をFCまで振り返ってみて思うのは、エステル含めてキャラクターに
感情移入しやすいように思えるんですよね。物事への対峙の仕方とか、
決断に至るプロセスが、それぞれの等身大の行動として納得出来る。
例えば今回の
幽霊騒ぎへ関わろうとするエステルの行動に関しても、
幽霊が苦手なエステルは最初は拒絶します。ジャンにしても、まぁ仕方無いかと
依頼を取り下げるわけですが、変な話、「でも、誰かが困っているなら」とか
なんかかんかの理屈で決心して、その場で引き受けるようにトントンと進んでも
話は成立すると思うんです。手っ取り早いし。
でも実際にはそう簡単な話じゃない。苦手なもんは苦手だし、そりゃ貴方、
避けられるものは避けたいじゃない、という気持ちのほうが余程分かる。
ところがその後、再建された孤児院での再会を経て、やはりこのままじゃ
いけないと決断に至る。回りくどいかも知れないけれど、人って決心だけで
変われるほど簡単じゃないよね、ってのが凄く理解出来る。
それはもっと大きいものでは、エステルのさりげない場面の中でも
描かれている。どれだけ切り替えたつもりでも、ふとした気の緩みで、
つい隣の存在を思い出してしまう。いるかのような心の動きを見せてしまう、
というのが物凄く分かる。
そういう、各キャラクターの言動に納得感が大きいのが、この作品の
素晴らしさなんじゃないかなと。それはエステルに限らず、他に出てくる
どのキャラクターに関しても。
いわゆるファンタジーに属するであろう作品に対してどうかと思うのですが、
凄く「リアル」に感じられて共感出来るように思えます。
色んなクラフトとかアーツとかもありながら、直接的に描かれていないのも
もしかしたら影響有るのかもしれません。必殺技名を叫びながらドガーン
なんてのも有りっちゃ有りなのかも知れませんが、むしろそれが余り無いから、
それぞれのキャラクターが本当に身近にいてもおかしくないような気に
なれるのかもしれません。
改めてFC最終巻の帯の言葉を思い出しました。
“いつか「英雄」と呼ばれる者たちの物語”
エステルはきっとまだ、そう呼ばれるほどの存在じゃないのでしょう。
でも本作の衣装替えの場面で、ちょっとおしゃれなアクセサリーに
引け目を感じるエステルへとシェラ姉も言ってます。
「そう感じてしまうんなら、これから目一杯努力しなさい。
その輝きにつり合う女性になれるように」
大丈夫です。エステルは周りが眩しいとさえ思うほどの
輝かしい存在へとなるのですから。がんばれー!