Fire Down Under
RIOT史上最高傑作の声が高い本作品はその声に答える内容に仕上っている。曲もアメリカのバンドらしからぬ湿り気のあるヨーロッパ的なサウンドで日本人好みのサウンドに仕上っており発売当時も日本では受けが良かった。本作ツアー終了後ヴォーカルであるガイが脱退してしまいバンド事態は急失速してしまうのだが、本作は今聞いても新鮮味を失わないサウンドで永遠の輝きを持ち続けるであろう。SHINE ON! WARRIOR RIOT!
Riot in Cell Block 11 [VHS] [Import]
*レビュー掲載後追記:
【以下レビューは、北米盤VHS(ASIN:6300209016)に対するものですが、Amazon.co.jpが、勝手に他メディアにも転載しています】
邦題『第十一号監房の暴動』
国中で刑務所での暴動が頻発しているアメリカ。ある州立刑務所の所長レイノルズ(エミール・メイヤー)も、囚人たちの待遇改善を求めているが、知事に受け入れられないことから、いずれ囚人たちの不満が爆発するのでは、という懸念を持っている。その懸念通り、第11号監房で、暴動が起き、看守数人が人質となってしまう。暴動を率いているダン(ネヴィル・ブランド)は、マスコミを集め、刑務所の劣悪な環境の改善を訴えるのだが…。
ウォルター・ウェンジャー製作、ドン・シーゲル監督による刑務所ものの傑作。カリフォルニア州フォルサム刑務所の囚人たちと看守たちをエキストラ出演させることで、リアリティある雰囲気を生んでいる。シーゲル監督は、本作を自分にとって最初の重要な作品と述べている。ウェンジャー=シーゲル・コンビは、本作で抜群の相性だったことから(作品はヒットを記録)、SFの古典『ボディ・スナッチャー/恐怖の街 [DVD]』でも再度組むことになった。ウェンジャーと製作のアライドは、当初、本作を3D作品とするつもりだったものの、フォルサム刑務所の規則の関係で、3D撮影を断念した。
プロデューサー、ウォルター・ウェンジャーと監督ドン・シーゲルという映画界の反骨の人(というより、はみだし者?)同士がタッグを組んだ威勢が良く、不敵な作品だ。転んでもただでは起きないと言うべきか、実生活で、妻だったジョーン・ベネットの浮気相手を撃って、服役した経験があるウェンジャーが企画し、さんざん断られて巡って来たその企画の監督をシーゲルがしっかと受け止めただけあり、反骨と気迫こそが本作の原動力。メジャー会社が尻込みし、決して撮ることが出来ないような刑務所ものを作り上げた2人に敬意を表したい。
実際、本作は、メジャー会社でもさんざん作られて来た刑務所ものとは一線を画している。シーゲル自身、「刑務所に存在する悪を暴動者たちを通して見せること、看守たちをサディスティックではなく、くたびれはて、過労で、薄給の人間として見せること、刑務所長を悪党ではなく、多くの切実な問題を抱えた人間として見せること。こういったことが、私にはエキサイティングだった」と語っているように("Who the Devil Made It: Conversations with Legendary Film Directors"P737)、囚人たちと管理する側(看守、所長)の単純な図式の対立のドラマではない。囚人たちの中にも、暴動を扇動するグループとそれに賛同しないグループの対立があり、また、管理する側にも、所長と知事代理の対立があるという、複雑な様相を呈している。刑務所内の囚人たちへの非人間的な扱いを告発するという社会的メッセージを基本としながら、様々な人間の立場、利害、力が対立するドラマとして観応えがある所以だ。
そして、それが、シーゲル監督ならではの、無駄のない荒いタッチの演出と一瞬で沸点に達する生々しい暴力描写によって語られて行く(看守を追い詰めて、殴りかかるシーンが印象的だ)のだから面白くないわけがない。全編に渡って、画面に閉所の息苦しさ(ラッセル・ハーランの陰影豊かな撮影が素晴らしい)とともに、ただならぬ怒りと殺気が漲っている。
あえて、(ほぼ無名の)端役俳優たちを主役に使っているのも効果的。とりわけ、ダン役のブランドとカーニー役のレオ・ゴードンが強烈。第11号監房の中で、「野獣」とあだ名されて囚人仲間からも恐れられているように、不敵な面構えに、屈強な体と獰猛さで、ほとんど動く暴力といった感じさえある。エキストラの本物の囚人たちに交じっても、全く物怖じせず、見劣りがしないどころか、彼らよりも迫力と凄みがあるぐらいだ!まさに、シーゲル的暴力の世界を生き抜くに相応しい逞しい俳優たちだ。
本VHSは、DVD時代になり始めた頃に、米Republic Pictures Home Videoから発売されたもの。VHSなので、レストアはされておらず(テレシネの基になった35mm素材も、オリジナル・ネガやマスター・ポジではなく、上映プリントではないだろうか)、キズも多く、白黒諧調、ディテール表現も良好ではないが、当時のVHSとしては、平均的な画質と言えるだろう。音声も、所々ノイズがあるが、セリフの聞き取りには全く問題ない。日本では、現在に至るまで未パッケージ・ソフト化の作品だが、WOWOWで、本VHSと同一マスターと思しきものが使われて放映されたことがある。
未だに北米盤DVDですら発売されないが、そろそろリパブリック作品の権利を持っている米パラマウント(もしくは、Olive Films)からDVD/Blu-rayの発売をして欲しいところだ。この傑作が、多くの映画ファンの目に触れない現状は、あまりに勿体ない。
【以下レビューは、北米盤VHS(ASIN:6300209016)に対するものですが、Amazon.co.jpが、勝手に他メディアにも転載しています】
邦題『第十一号監房の暴動』
国中で刑務所での暴動が頻発しているアメリカ。ある州立刑務所の所長レイノルズ(エミール・メイヤー)も、囚人たちの待遇改善を求めているが、知事に受け入れられないことから、いずれ囚人たちの不満が爆発するのでは、という懸念を持っている。その懸念通り、第11号監房で、暴動が起き、看守数人が人質となってしまう。暴動を率いているダン(ネヴィル・ブランド)は、マスコミを集め、刑務所の劣悪な環境の改善を訴えるのだが…。
ウォルター・ウェンジャー製作、ドン・シーゲル監督による刑務所ものの傑作。カリフォルニア州フォルサム刑務所の囚人たちと看守たちをエキストラ出演させることで、リアリティある雰囲気を生んでいる。シーゲル監督は、本作を自分にとって最初の重要な作品と述べている。ウェンジャー=シーゲル・コンビは、本作で抜群の相性だったことから(作品はヒットを記録)、SFの古典『ボディ・スナッチャー/恐怖の街 [DVD]』でも再度組むことになった。ウェンジャーと製作のアライドは、当初、本作を3D作品とするつもりだったものの、フォルサム刑務所の規則の関係で、3D撮影を断念した。
プロデューサー、ウォルター・ウェンジャーと監督ドン・シーゲルという映画界の反骨の人(というより、はみだし者?)同士がタッグを組んだ威勢が良く、不敵な作品だ。転んでもただでは起きないと言うべきか、実生活で、妻だったジョーン・ベネットの浮気相手を撃って、服役した経験があるウェンジャーが企画し、さんざん断られて巡って来たその企画の監督をシーゲルがしっかと受け止めただけあり、反骨と気迫こそが本作の原動力。メジャー会社が尻込みし、決して撮ることが出来ないような刑務所ものを作り上げた2人に敬意を表したい。
実際、本作は、メジャー会社でもさんざん作られて来た刑務所ものとは一線を画している。シーゲル自身、「刑務所に存在する悪を暴動者たちを通して見せること、看守たちをサディスティックではなく、くたびれはて、過労で、薄給の人間として見せること、刑務所長を悪党ではなく、多くの切実な問題を抱えた人間として見せること。こういったことが、私にはエキサイティングだった」と語っているように("Who the Devil Made It: Conversations with Legendary Film Directors"P737)、囚人たちと管理する側(看守、所長)の単純な図式の対立のドラマではない。囚人たちの中にも、暴動を扇動するグループとそれに賛同しないグループの対立があり、また、管理する側にも、所長と知事代理の対立があるという、複雑な様相を呈している。刑務所内の囚人たちへの非人間的な扱いを告発するという社会的メッセージを基本としながら、様々な人間の立場、利害、力が対立するドラマとして観応えがある所以だ。
そして、それが、シーゲル監督ならではの、無駄のない荒いタッチの演出と一瞬で沸点に達する生々しい暴力描写によって語られて行く(看守を追い詰めて、殴りかかるシーンが印象的だ)のだから面白くないわけがない。全編に渡って、画面に閉所の息苦しさ(ラッセル・ハーランの陰影豊かな撮影が素晴らしい)とともに、ただならぬ怒りと殺気が漲っている。
あえて、(ほぼ無名の)端役俳優たちを主役に使っているのも効果的。とりわけ、ダン役のブランドとカーニー役のレオ・ゴードンが強烈。第11号監房の中で、「野獣」とあだ名されて囚人仲間からも恐れられているように、不敵な面構えに、屈強な体と獰猛さで、ほとんど動く暴力といった感じさえある。エキストラの本物の囚人たちに交じっても、全く物怖じせず、見劣りがしないどころか、彼らよりも迫力と凄みがあるぐらいだ!まさに、シーゲル的暴力の世界を生き抜くに相応しい逞しい俳優たちだ。
本VHSは、DVD時代になり始めた頃に、米Republic Pictures Home Videoから発売されたもの。VHSなので、レストアはされておらず(テレシネの基になった35mm素材も、オリジナル・ネガやマスター・ポジではなく、上映プリントではないだろうか)、キズも多く、白黒諧調、ディテール表現も良好ではないが、当時のVHSとしては、平均的な画質と言えるだろう。音声も、所々ノイズがあるが、セリフの聞き取りには全く問題ない。日本では、現在に至るまで未パッケージ・ソフト化の作品だが、WOWOWで、本VHSと同一マスターと思しきものが使われて放映されたことがある。
未だに北米盤DVDですら発売されないが、そろそろリパブリック作品の権利を持っている米パラマウント(もしくは、Olive Films)からDVD/Blu-rayの発売をして欲しいところだ。この傑作が、多くの映画ファンの目に触れない現状は、あまりに勿体ない。
THEE LIVE [DVD]
ジャパニーズロック界でこんなカッコイイギター掻き鳴らすギタリストが居ただろうか。 音楽やってる人が譜面見たら大した事やってない3コードでも、この4人がやると物凄いグルーヴのR&R。ロッソとかBirthdayとかの比較じゃなく、ただただカッコイイR&Rバンド。 チバの白いグレッチ。 鬼のカッティングのアベフトシ。 見てると涙が流れてくるカッコイイR&Rの夜。 そして恐ろしい事にこの4人が同じステージに立つ事はもう無いのだ。